短編集の主役も我々だ？ (ページ35)

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A目線

ついてしまった。が、なんかめっちゃ綺麗な家だ。

？｢ついたでー！｣
A『…』

A『……』
？｢？喋れないん？喉痛いんか？｣
A『…』

？｢あ！せや！自己紹介しよ！俺はゾム！ゾムとか、ゾムさんでもええで。もちろん、ご主人様とか、ゾム様でもええで。ｸﾋﾋｯ｣

別に喋れないわけじゃないが、誘拐犯に自己紹介なんてしたくない、それだけの話。

zm｢大丈夫か！？……ん？ああ、そういう…んふふ。ほんま俺のお姫様はかまってちゃんやな～！｣ﾄﾞｶﾞｯ
A『い″っづ…』

頬を殴られた。痛い。この人には抵抗もしてはいけないらしい。
どこをどう見たら、かまってちゃんなのだろう？
…誘拐犯の感覚なんて、知りたくもないが。

zm｢まあ、とりあえず自己紹介しよな！｣
A『A…です。』
zm｢っ！かわええ！…それ以外は？｣

A『18才です。ゾム…さん？私は一生この家で過ごすんですか？』
zm｢おん！もちろん！｣

私がこの家で一生を過ごすのは、当たり前らしい。嫌だ。好きな人だっていた。彼に会いたい。