短編集の主役も我々だ？ (ページ33)

今日:34 hit、昨日:13 hit、合計:26,172 hit

・ページ33

A目線

A『んぅ？ここは…』ｼﾞｬﾗｯ
A『何これ！？』

重い。足枷、手枷、首輪。
どうして、こんなもの？

rb｢あっ！起きたんか～！俺が強く手刀、やり過ぎてもうてなー！すまん。｣
A『！……』

沈黙。これが目の前の彼にできる、唯一の反抗。

rb｢ん？体調悪いんか？それとも反抗？｣
rb｢反抗なら、喋らせる方法考えんとな。｣

私の顔をまじまじと見てくる。気持ち悪い。
吐き気がする…

rb｢…多分反抗やろ？俺、探し物あるから、なんかあったら、声だしてな？｣

やっぱり来なければ良かった。コンクリートでできた無機質な部屋に１人。気が狂いそうだ。

１人は怖い。友達に会いたい。自然と涙が出てくる。
でも、こんな時でも、探してくれているのは、少人数なのだろう。

rb｢はあ、待たせたなあ！って、どうしたん？｣
rb｢ああ、俺と過ごせるんが嬉しいのか！かわええなあ。｣

そう言った彼の手には、刀、ハサミ、包丁、チェーンソー、銃、カッターなど、色々な刃物が彼の手には握られていた。

私は本能的に恐怖を感じて後退りをした。いや、
しようとした。
出来なかった。

鎖はジャラジャラと音をたて、少しずれるだけ。
重すぎる。

rb｢ちょっとだけ、痛いかもしれん。まあ、我慢できるよな？Aなら。｣

｢どれにしよっかなー｣と笑う彼の目は狂いきっていた。

rb｢じゃ！これ！最初だし、軽めで許したる。良い声出してな？｣ﾄﾞｽｯｸﾞﾘｨ
A『いっ！あああ！痛い痛い痛い痛い！』

左手の甲にハサミを刺し、そこを刃で、広げているのだ。
骨を刺さないように、うまく肉だけの所に刺している。

はじめて、味わった痛み。
甲高い悲鳴が自分の喉から出てくる。
大粒の涙が自分の頬をつたう。

rb｢今回はこの辺でやめとくな。傷、残ったらすまん。これからは、声出してな？｣
A『う、ﾋｯｸ、はい。』

そう言って、私の血がついたハサミを恍惚とした表情で見つめている彼の目は、とても狂気的だった。