短編集の主役も我々だ？ (ページ19)

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A目線

はぁー！この前行った水族館、楽しかったなー！
えっーと、あれ、誰と行ってきたんだっけ…

A『あ…れ…』ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

ｶﾞﾁｬｯ

syp｢えっ！？どうしたんっすか！？｣
A『あ、あ、ショッピ…君？』
syp｢はい、ショッピっすよ。｣

私、今、ショッピ君のこと、忘れて…

A『どうしよ、今、ショッピ君のこと、忘れて…』
syp｢っ！！…俺のこと、まだ分かりますか？｣
A『うんっ…ショッピ君、怖いよぉ！忘れたくない…』

syp｢俺も忘れられたくない…｣
syp｢そうだ…忘れられる前に…これ。こっそり買ってたんすよ。｣

そう言って出してきたのは、ちっさくて黒い箱。

A『…開けていい？』
syp｢もちろん、どうぞ。｣

A『わっ！！きれーい！』

そこに入っていたのは、紫の宝石がはまっている、綺麗なネックレスだった。

syp｢俺のこと忘れても、それだけは着けててくださいね…｣ｼｬﾗｯ
A『…うん。』

ショッピ君の白くて細くて冷たい指が首にあたり、くすぐったい。

syp｢綺麗ですよ。｣
A『ほんと！？…よかった…』
syp｢好きです。｣ﾁｭｯ
A『…私も。もし…忘れても…だ…』ﾊﾞﾀﾝｯ

私の意識が遠くなっていく。
最後に見えたのは、柄にもなく、大きな声を出して、寂しそうに泣くショッピ君だった。