【男主】愛らしい君へ【我々だ】 (ページ2)

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第０話ページ2

ゾムside

珍しく仕事が早く終わった総統であるグルッペンが散歩してくると言って出かけ始めてから一時間が経とうとしていたある時

近くから2人の会話する声が聞こえてきた

中庭にいた俺はとある場所へ足を運び、帰ってきたであろうグルッペンと書記長であるトントンに話しかける

「グルッペン、トントン、おかえりー」

「「ただいま」」

「遅かったなぁ、何かあったん？」

そう聞くとグルッペンとトントンは顔を見合ってからまた俺の方に視線を向けた

「？」

不思議そうにしてる俺をよそ目にグルッペンは後ろで隠れている者に出てくるように誘う

そしてグルッペンに言われるなり、ゆっくりと出てきたのは一人の男の子

その子の姿を見てぐっと心を掴まれたように目が離せなくなった

珍しい髪色、オッドアイと呼ばれる綺麗な瞳

整ったような綺麗な顔

貧しい服装をしているのに全てが美しく見えた

「…綺麗…」

ぼそっと呟いた後、すぐにいつものように笑って

「グルッペングルッペン、その子は？」

「あぁ、この子な。家族も居なくて一人で彷徨っていたみたいだから、拾ってきた」

「そうなんや」

「そうやで。それに武器には手馴れてるらしいし、上手く育てたら戦力にはなるやろうし。仲間に引き入れよう思てな。」

グルッペンに続いてそう話すトントンの目を見て、へー、と関心したように返事をするとまた男の子の方に視線を戻す

その男の子も俺の方を見ていたようで、目が合ってしまった

思わずふいっと顔を逸らすと男の子はこう言った

「…あの…これから…宜しく、お願いします…」

話すのが苦手なのか言葉を何とか紡いでいたが、またその声も凛とした声で何とも言えない美しさがそこにあった

ちらっと見てみると彼は頭を軽く下げるなり、俺の方を見て微笑み掛ける

「…ん、宜しく。」

俺も素っ気ない態度ながらも返事をした

もちろん、その後、ちゃんと自己紹介をした