ただいま、そしておかえり。 ページ8
カタカタと管理室の機械を操作するのももう手馴れた作業だ。
監視カメラを展開させながら他国の情勢の監視や情報のハッキングをしていく。
新しいヘッドフォンを耳に当てて、ジャカジャカと音楽を流す。
何があるんかわからんねやから、音下げや。とか、そんなことを彼女に言った気がするのにな。
でもこうでもしないと、城の中の静けさに押しつぶされそうな気がして。
そうして大音量で音楽を聴いていたからか、扉のノックに気がつかなかったのだ。
ガンッ、と頭を軽く叩かれた。しかも割と堅いもので。
誰だ、敵襲か、とヘッドフォンを外して振り返ると、目の前にオレンジ色の髪が揺らいだ。
「アンタ、私には音下げろって言ってたくせにめちゃめちゃ音でかいやんけ」
rb「……ノーチェ、?」
「……ただいま」
にしし、と笑った彼女に思わず目が潤んだ。
右手と右腕は包帯でグルグル巻きで、足も固定されている。俺の頭を叩いたのは松葉杖の持ち手部分だったようで、彼女は松葉杖を脇の下に戻した。
ぽろ、と頬に涙がつたった。それが地面に落ちたことで、ノーチェは俺が泣いていることに気づいたようで突然謝ってきた。
「ごめん!!? そんな痛かった!?」
rb「ばっ、ちゃうわ!! ちゃうわぁ……!」
服の袖で涙を拭った。
傷だらけだけど当たり前のように目の前にいるノーチェに、とてつもなく嬉しくて安堵したのだ。
ただいま、そう言った彼女。俺は、オロオロとするノーチェの左手を握って、おかえりと言った。
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うんちっち - 面白い 更新頑張って (2019年10月19日 23時) (
レス) id: 473868f78a (このIDを非表示/違反報告)
メビ(プロフ) - 久しぶりの更新ですね！これからも無理しない程度に頑張ってください！ (2019年7月28日 6時) (レス) id: ee2ddb04ba (このIDを非表示/違反報告)
いずも(プロフ) - 好きです尊い話好きすぎます！ (2019年7月15日 0時) (レス) id: e6422e1b57 (このIDを非表示/違反報告)
みふぇ(プロフ) - 好きです (2019年7月13日 1時) (レス) id: df5efd99d9 (このIDを非表示/違反報告)
hasuki- - 初めまして,この小説は時々シリアスを入れてくるから,私がある意味死にそうになりました。これからも頑張ってください， (2019年6月7日 0時) (レス) id: e55a71c11d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：中沢 琴葉
| 作成日時：2019年5月6日 13時
