彼らは至って真面目です VII ページ27
トントンに書類を提出しに行こうと廊下を歩いていると、後方から急ぐ足音が聞こえてきて書類の山から少しだけ目を離して振り返る。と、気づけばそこにはどこかへ出ていたのであろうトントンが私の元へと来ていて、私の手から書類の山を掻っ攫ってしまった。
「あ、ありがと」
tn「相変わらず随分な量抱えて…… 誰かに頼んだらええやん」
「いやぁいちいち呼ぶんも面倒でなぁ。で? トントンはどっか行ってたん?」
tn「ちょっと街外れにな。そこに新しい建物建てれへんかなぁってトンつく隊と偵察行ってたんや」
「ああ、なるほど! んじゃ疲れてるんちゃうん? 私のやし、半分は自分で持つで!?」
tn「見に行って喋っただけで疲れてへんし、こんくらいは男がするもんやで」
ふふんと鼻を鳴らして先を歩いていくトントンの姿を、ぼーっと立ち尽くしてみてしまうほどそのセリフは衝撃だった。
何だ、何で急に優しい??
まさか、トントンに限って私に言えないやましいことがあるとは思えないし、あれは素?素なのか?
tn「おい? ぱぱっとチェックするから着いてきぃや」
「え? ……ああ、うん!」
急いで彼の後ろを追いかけて、また隣に並ぶ。
なんだかさっきの一言で、先程みたいな会話が広がらない気まずさがある。
そんな中、いつもなら私が声をかけるところを珍しくトントンが先に口を開く。
tn「あんさ」
「うん??」
tn「……この書類チェック終わったら、昼の予定か?」
「ああ、せやで。トントンもまだちゃうの?」
tn「おん。……どっか、外食べに行かん?」
「……ん?」
tn「飯、どっか食いに行かん!? 俺と、ノーチェで」
「…………おん、ええよー……」
tn「何やその生返事」
「いや、そんなん言ってくるトントン、珍しいから、びっくりした…… ええやん、ええやん行こ! 回転寿司!」
tn「回転寿司ぃ!? ……はぁ、しゃーないなぁ」
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うんちっち - 面白い 更新頑張って (2019年10月19日 23時) (
レス) id: 473868f78a (このIDを非表示/違反報告)
メビ(プロフ) - 久しぶりの更新ですね！これからも無理しない程度に頑張ってください！ (2019年7月28日 6時) (レス) id: ee2ddb04ba (このIDを非表示/違反報告)
いずも(プロフ) - 好きです尊い話好きすぎます！ (2019年7月15日 0時) (レス) id: e6422e1b57 (このIDを非表示/違反報告)
みふぇ(プロフ) - 好きです (2019年7月13日 1時) (レス) id: df5efd99d9 (このIDを非表示/違反報告)
hasuki- - 初めまして,この小説は時々シリアスを入れてくるから,私がある意味死にそうになりました。これからも頑張ってください， (2019年6月7日 0時) (レス) id: e55a71c11d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：中沢 琴葉
| 作成日時：2019年5月6日 13時
