珈琲 III ページ20
大先生の部屋をノックすれば、だるそうな声を発して扉が開かれた。
相変わらず煙草を咥えて目の下に薄っすら隈を残している大先生が出てきて、私とエミさんを見るなり「何や、変な組み合わせで来たなぁ」と言う。
em「大先生、珈琲でも如何です?」
ut「珈琲? くれるん?」
em「えぇ。ただ、ちょっとした私のお遊びに付き合ってくださらないでしょうか」
ut「何や利き珈琲か? 別にええよ」
ぼーっとした様子の大先生だったが、今日もまたへらりと胡散臭い笑みを浮かべた。
大先生に促されて部屋に入る。
床には一面書類が、なんて事はなく、机の上は大惨事だが全体的には片付いている印象だ。
どうにも暗い部屋。カーテンを開けていないことに気付いて、しゃっとカーテンを開けてやった。ついでに窓も。
ut「何勝手にやっとんねん、お前」
「だって、流石に煙草臭かってんもん。ちゃんと換気くらいせぇ」
ut「……はぁ、はいはい。取り敢えず机の上のだけはほっといてな」
大先生は疲れた様子で目を伏せた。
どうやら書類仕事が大量に回ってきているようで、トントン並みの紙の束が置かれているので察した。
em「こういう場合、珈琲よりは紅茶の方がいいのかもしれませんが……すみませんねぇ、飲んでいただけます?」
ut「ええよ。で、どっちがエミさんのか当てるとか、そういうやつなん?」
em「いえ、どちらの方が美味しいかだけ教えていただければ」
ut「あ、そっちね! え、何。どっちかがコイツのなん?」
慣れた手つきでカップに珈琲を入れるエミさん。
彼らが会話をしている間ぼーっと外の様子を眺めていると、ふと大先生がコイツ、と言ったのに気付いて振り向く。
大先生は親指で私を指していて、何や悪いか、と言ってみれば別に、とはぐらかされてしまった。
em「はい。ではお好きなほうからどうぞ」
ut「ん」
大先生は机の上の灰皿に煙草を擦り付けた。
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中沢 琴葉(プロフ) - ぽっぷこーんさん» コメントありがとうございます！返信遅くなって申し訳ないです。唐突でも予告アリでも隙と言っていただけで光栄です！！ありがとうございます〜！ (2018年3月3日 9時) (
レス) id: 086fb701b0 (このIDを非表示/違反報告)
ぽっぷこーん - んんんんん！？好きです！！！(唐突) (2018年2月23日 0時) (レス) id: a1d1edfed6 (このIDを非表示/違反報告)
中沢 琴葉(プロフ) - 鳥夢さん» コメントありがとうございます！おぉっと、本当ですね(苦笑) 資料ファイルが間違いですすみませんm(_ _)m ご報告ありがとうございます!! これからも頑張りますー!! (2018年2月14日 21時) (レス) id: 611ee581e6 (このIDを非表示/違反報告)
鳥夢(プロフ) - 本当にこの小説好きです！これからも頑張ってください！！（それと、資料ファイルだとシャオロンさんの一時的な副作用は失声になってました。） (2018年2月14日 17時) (レス) id: 068b742e71 (このIDを非表示/違反報告)
中沢 琴葉(プロフ) - げしゅとさん» コメントありがとうございます！いつか書かねばと思っていたネタなのでリクエストありがたい……！！近いうちに恐らく書きます(^O^)気長にお待ちいただけると幸いですm(__)m (2018年1月7日 22時) (レス) id: 611ee581e6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：中沢 琴葉
| 作成日時：2017年12月11日 15時
