しないです。 ページ38
土煙のせいであまり視界は良好じゃない。
あと、脇腹が痛い。
「ホンマ？俺は楽しくてしかたないんやけど。」
私を担ぎながら喉を鳴らし笑うゾム。
あぁ、やっと来てくれたのか。
「んで、裏切り者は無事なわけ？」
『ｹﾎ、無事、だっ…たら…良かったんすけど、ね…』
「……お前さぁ、自分の危機んときぐらいあの力使えや。」
首から溢れ出てくる血を止めながら途切れ途切れに言えば、ゾムは大きくため息をついたあと心底呆れたようにそう言った。
嫌だよ。私あの力本当に嫌いなんだから。
そんなことも言い返せず口から出てきた血を拭う。
「はい、パス。」
ゾムはその言葉と共に私を後ろに大きく投げた。
嘘でしょ、とも声に出せず、待ち構える衝撃に強く目を瞑れば、来た衝撃は軽いものだった。
「ほい。大丈夫っすか、ゴリラ先輩。」
そこにいたのはショッピ君。
いつの間に来たのだろう。大方ゾムの支援をしてたのだろうけど。
あと、私ゴリラじゃない。
ショッピ君は私の膝裏と首裏に腕を入れて抱き抱えると何処かへ走り出した。
待って、何処行くの。
後ろから大男の声が聞こえたが、それもすぐに聞こえなくなる。
ショッピ君の肩越しに後ろを見れば、ゾムが三人相手にナイフ両手に暴れまわっていた。
さすがゾム先輩。私とじゃレベルが違うわ。
自嘲気味に笑っていれば、前方に隠れるように馬車が停まっているのが見えた。
「……ゴリラ先輩、生きてますよね？」
そうショッピ君が顔を覗き込む。
視線がかち合う、が、私の顔色を見たショッピ君は舌打ちをした後、馬車へと乗り込んだ。
敷いてある布団に寝かされる。
痛さで歪む視界に少し焦ったようなショッピ君が映る。
「死なないでくださいよ。俺、怒ったゾム先輩好きじゃないんすから。」
そう言いつつ鞄から救急箱を取り出すショッピ君。
私が死んでもゾム先輩怒るっていうか喜ぶんじゃないかな。
あぁ、グルちゃんなら怒ってくれるかな。
なんて、皆の反応を脳裏に想像する。
ショッピ君は救急箱からガーゼと消毒液と止血剤、包帯を取り出して慣れたように傷の手当てを始めた。
こちょこちょ弱いから首に当たる手がくすぐったい。
やがて、ゆっくりと目蓋が下がる。
こんな傷ぺ神に怒られるだろうなぁ。
意識が薄れ、プツリと切れた。
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若草 翠 - ん？あれ？ちょっと作者さん？なんか終わったことになってますよ?!続きはぁ？まさかこれで終わりじゃないですよね中途半端過ぎます呪いますよ?!汗 (2022年4月10日 20時) (
レス) @page43 id: 3991d49295 (このIDを非表示/違反報告)
氷河 - いきてますかぁ〜〜〜〜？！(大声) (2021年4月14日 10時) (レス) id: c276ce50af (このIDを非表示/違反報告)
まっちゃ - このお話好きですー！！！……あれ…………続きがない……？ (2021年4月1日 14時) (レス) id: 8e9c19a797 (このIDを非表示/違反報告)
Rainﾚｲﾝ - 花仙さん» え、死んじゃた？大丈夫ですかｧｧｧｧｧ？(((殴られたぁ (2020年6月6日 21時) (レス) id: cc7660b0c0 (このIDを非表示/違反報告)
花仙 - やばい。いい話過ぎて死ぬ。。。あれ？なんか体が透けて、、、あ。（察し） (2020年1月1日 14時) (レス) id: b2f70beae4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ピポ | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/pipo1945/
作成日時：2017年8月29日 2時
