恋人【sha】 ページ29
Aへ。
別れて一週間後に呑気に手紙を出してくるなんて何事かと思うかもしれへんけど、あの時本当は言いたかった事が山ほどあるから、良かったら読んでや。
最近、俺は大きな病気にかかってる事が分かった。
生き残れても生存率1〜5%。ほぼ確実に死ぬって言われてん。
医者から言われた時は言葉が出てこなくてボーッとしながら天井を見つめた。
親や親戚にはもう伝えてある。伝えてないのは、お前だけ。
最初は言うつもりだった。
デートという名の告白をしようとしたけど
震えが止まらんくて、伝えるのが怖くなった。
だからその日は体調が悪いからってドタキャンした。
俺の行動を見てれば、そら何がしたいんやって思うはず。
明くる日の通院。
遂に余命宣告をされた。
余命は"一週間"。
余りにも短くて「なんやそれ」って言い放って、薄ら笑いした。
あかん、Aとしたいこと全然出来てない。
それからは急に用事を詰め込んではお前を振り回した。
急にどうしたのって言われても答えられなくて。
力なく「甘えさせて」なんて零せば何とか苦笑いで済んだ。
しつこくベタベタくっついてたのは、死ぬのが単純に怖くなっただけ。
お前といれば怖くなくなるかなーなんて。
俺が死ぬまであと1日。
俺達は別れた。
理由ははぐらかしてその場を凌いだ。
本当は違う。
俺が死ぬって、Aに言いたくなかった。
病気のせいで、Aと別れるなんて絶対に嫌だった。
大事な人には迷惑を絶対にかけたないなんて馬鹿みたいなプライドがあって。
泣きながら必死に止めようとするお前の腕を振り払ったのは本当に申し訳ないと思う。
その腕を払った時だって、俺も泣きたかったんや。
でもぎゅっと堪えて、唇噛み締めて家に帰った。
まぁ、結局家に辿り着けずに救急車に世話んなったんやけどな。
その日は最悪やった。
俺の命日。
そして、
俺の大事な彼女と別れた日。
もしかしたら気付いてたかもしれない。俺が病気を隠していたこと。
でもそれを口に出さないでくれたのには本当に感謝してる。ありがとう。
こういうのって助け合うべきやと思うけど、どうも義理堅くなってもうた俺を許してや。
辛くなったら、夢にでも会いにいくから。
ごめん。そして、愛してる。
シャオロン
必死に辛い所を見せずに頑張っていたのは、彼の優しさそのものだった。
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Aの化身(プロフ) - 一つ眼さん» コメントありがとうございます。この作品はただ自分の体験談をメンバーに演じてもらっただけの物です。尊さに気付く事が出来た一つ眼さん自身が素晴らしいことです。同時に、そう気付けた貴方のお手伝いが出来て大変恐縮です。 (2020年3月8日 17時) (
レス) id: 5ef8288512 (このIDを非表示/違反報告)
一つ眼 - 同じ文を2つ書いてしまいました。お手数ですが1つ消しといてください (2020年3月8日 1時) (レス) id: 250339bac9 (このIDを非表示/違反報告)
一つ眼 - 下の続きです。 涙が止まりませんでした。命の尊さはこう言う事を言うのだなと思いました。Aの化身さん。私に命の尊さを教えてくれてありがとうございました。 (2020年3月8日 1時) (レス) id: 250339bac9 (このIDを非表示/違反報告)
一つ眼 - 下の続きです。 涙が止まりませんでした。命の尊さはこう言う事を言うのだなと思いました。Aの化身さん。私に命の尊さを教えてくれてありがとうございました。 (2020年3月8日 1時) (レス) id: 250339bac9 (このIDを非表示/違反報告)
一つ眼 - はじめまして。いきなりですが私は命の尊さと言うものを知りませでした。でも、この小説を読んでやっと命の尊さを知ることができました。推しが死ぬのがとっても悲しくて。推しじゃなくても、苦しみや悲しみを我慢してきたけれど限界だったり。 (2020年3月8日 1時) (レス) id: 250339bac9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Aの化身 | 作成日時：2019年1月13日 15時
