恋の主役は我々だ！ (ページ15)

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　届け、伝われ　続きページ15

1週間後、私は退院した
ただし、大量の薬を飲むことを約束させられた

久しぶりに会った兄さんは、しばらく見なかった私を心配してくれていたらしい
「大丈夫？」と聞く姿は、本物の兄のようだった
そんな兄さんを見ていると、心配をかけたくなくて、『大丈夫』なんて
私は弱い
弱くて脆い
だから、今更想いを伝えたら、迷惑なんじゃないか
余計な心配をさせてしまうのではないか
そんなことばかりを考えて、心の奥に想いをしまう

1ヶ月後、私は再び病院のベッドの上にいた
そこらじゅうの痛み
頻度の多くなった立ちくらみ
病状は進んでいた

1ヶ月後はもちろん、明日が迎えられるかすら、わからない
でも、不思議と恐怖はなくて、虚しさと後悔だけが心を埋める
伝えたかったなあ
なんて、弱虫
顔を見たくないのに
見たら、涙が堪えられなくなりそうで
会いたくない

ねえ、神様
私のこの想い、届けてください
伝えてください
弱虫な私の、最期のお願いだと思って
届けてください
伝えてください

その後、彼女は息を引き取った
彼女の細すぎる手の中には、小さな紙
震えた文字で書かれた、
『兄さんへ
　とうとう最期まで言えませんでした
　優しくて無邪気で、天然の入った兄さんのことが好きです
　私の最後の恋した人ですよ
　あんなに長くいたのに、こんなふうでしか言えない私ですけど、3年間は忘れて欲しくないです
　ずっと覚えてくれていてもいいんですよ
　事情を話せなくてごめんなさい
　詳しくは、私の友達に聞いてください
　A』

たった1人しかいない彼女の病室で、静かに泣く声が響く
いつも綺麗にまかれた紫色のストールは乱れていた

ーーー
更新できてなくてすみません
今回は兄さんでした
実はこの話下書きはしてあったんです
でも、うまく文章がつなげなくて
文才不足ですね
頑張ります

6000hitありがとうございます
今後ともよろしくお願い致します！