完結【d!】心なんて必要ない。２【knsm】 (ページ2)

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心が０個。ページ2

手に持っていた手紙と、ぼろぼろの紙を乱雑にリュックに詰める。

もう、何もかも終わりにしよう。

何も感じないように、誰も好きにならないように、隣に居たいと思わないように、

そうでもしないと俺は俺を殺してしまうから。

一つため息をつく。

なんだかあっという間だった。

あいつが遠くへ行ってしまって、もう半年がたとうとしている。

ショッピングモールへ行ったとき偶然会ったりなんかしないかな、

なんて考えてあいつの姿を探していた。

癖は抜けないもので、卒業式までの毎日あいつの家に迎えに行っていた。

ご飯を食べる時だって、水を用意していたし、授業中は隣を見てしまう。

誰もいないのに、もうあいつはいないのに、本当は死んでなんかいないんだって

何度も、何度も考えた。

それでもやっぱりあいつはいなかった。

街中で探してみたっているわけでもないし、

家に迎えに行っても、申し訳なさそうな顔をしたAの母さんが出てくるだけで、

水を用意しても、誰かが飲むわけでもないから俺が一人で飲んだし、

授業中分からないところがあって隣を見ても空席だった。

ああ、いないんだなぁ。もう会えないんだなぁ。

何気ない日常のなかでそう感じた。

また一つ、ため息をつく。