心が６個 ページ7
kn「か、かー…カーネーションか。」
手慣れた手つきで花を乾かしていく。
押しピンでカードを張ってその隣に花を干す。
いつの間にかこの作業が一週間の楽しみになっていた。
『シッマー。迎えに来たよー！』
kn「ちょっと待ってくれ！」
どたばたと家を駆けまわって外へ出る。
kn「A？どうしたんや、その髪。」
目の前のAはいつもの団子とは違った髪だった。
『今日ね、卒部の日なんだ。だからね…』
髪の毛を下ろして三つ編みみたいなのをして、そしてなんか髪を結んでいる。
kn「もう、お前のオーボエ、聞けへんくなるんか…」
『…そうだね。でも、休みの日とかは吹くから。その時は聞いてね。』
楽器のケースを指さして笑った。
今日は今日で楽しい一日になりそうだ。
『ねぇ、シッマ？もう一時間目始まっちゃうよ？』
kn「ん、A…ちょっと今日は授業さぼろうや。話したいことがあんねん。」
『えぇ…別にいいけど…』
少し後ろめたそうにそう言って立ち上がった。
kn「屋上にでも行こか」
うん、と小さな返事が聞こえてそのまま屋上へと向かう。
屋上につき意外にも話を始めたのはAからだった。
『シッマ。あのね、私ね…』
kn「なんや、ゆうてみ？」
『私…私ね。』
口ごもり、それ以上話そうとしない。
今にも泣きだしそうなそんな顔で俺を見つめる。
kn「焦らんでええから。ゆっくりでええから。」
『シッマ…私ね、もう、長くないんやって。』
決心したように開かれた口からは思いもよらぬ言葉が発せられた。
もう、長くない？
Aが？
信じられへん。
信じたくない。
そんな思いで聞き返す。
kn「何言うとるん？お前が、長くない？そんなわけあるか。今、こうやって元気やんか！
おれは、信じへん。Aが隣におらんなんて嫌や。」
『…シッマ』
か細い声でそう言ってAは手を伸ばしてきた。
そして少し暖かいきれいな手で俺の頬をなぞった。
『でもね、これって本当なの。私ねあと五年なんだって。』
無理やり笑顔をつくって笑うA。
kn「バカか、お前。笑えてないよ。そんなひきつった笑顔、見るだけで苦しくなるわ。
泣いてええんや。お前は無理しすぎなんだよ。」
『泣いてるシッマに言われたくないよ！シッマだって。無理しすぎなんだよ。
いつも私のことばっか気にかけて。バカなのはシッマだよ！』
Aはそう言って俺に抱き着いた。
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ぜろ(プロフ) - クロノスさん» うわん…ありがとうございます。クズシマちょっと笑っちゃいましたｗ (2020年1月24日 14時) (
レス) id: 245f42d98f (このIDを非表示/違反報告)
クロノス - よかったですわ マジで （タイトルのとこのコネシマ の英語『クズシマ』と読んだなんて言えない、、） (2020年1月12日 4時) (レス) id: 25a024680a (このIDを非表示/違反報告)
ぜろ(プロフ) - 無色さん» コメントありがとうございますぅうう( ;∀;)二人ともＥＮＤ１では幸せな…はず！です(´・ω・) (2019年12月15日 17時) (レス) id: 245f42d98f (このIDを非表示/違反報告)
無色 - すごいいい話でした！軽く泣きかけました(￣▽￣;)二人とも幸せになっているといいな（´・ω・｀） (2019年12月13日 15時) (レス) id: 3580e498d4 (このIDを非表示/違反報告)
ぜろ(プロフ) - 美希さん» このお話のシッマさん、過去には心あったっていう設定なんです！ここから少しずつタイトルの意味、分かっていくので！！！！楽しみにしていてください！美希さん、コメントありがとうございます！ (2019年2月7日 14時) (レス) id: aa0aa3566b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぜろ | 作成日時：2018年11月4日 22時
