キル! キル! チェリー!! / *tntn ページ27
「…………えーっと、何の罰ゲームなんですかねぇ。」
「罰ゲームって、ひとりで出来るものだったっけ?」
カシュ、とチューハイ片手に飄々と言ってのけるA。ツッコミどころがありすぎる。
まず、確かに恋人ではあるが同棲しているわけではない彼女に、なぜ“おかえり〜”と出迎えられるのか。俺が合鍵渡したからや。
なぜ人んちのチューハイを当然の権利のように飲んでいるか。どうせ俺が彼女用にと買ってきたストックだから。
――ああ、自分のツッコミを自分で論破していく作業は虚しい。
しかし、これは、これだけは、情けなくも経験の浅い自分には論破できないだろう。
「……その服の背中、どないしたん。破れたん?」
「……本気で言ってるの?」
「そうであってほしいなと思ってな。違ったか」
なんて、とぼけるのもいいとこや。ネットに疎いわけでもなかろうに、白々しい。
巷で“童貞を殺す”なんて売り文句を添えられている大胆なセーターを、仕事から帰ってきたら恋人が上がり込んで着ていましたなんて、どこぞの成年向け漫画やねん。
――ああアカン。目のやりどころがわからん。
彷徨う視線を落ち着かすように、また、大騒ぎする思考を誤魔化すように頭を掻き、定位置に鞄を置きスーツをかける。
「此処で着替えたん」
「当たり前でしょ、とんち以外の前で着ないよ」
「……おま」
「着替え、これ。明日はこれ着て帰ればいいよね」
紙袋を持ちながら笑顔で告げられるその言葉が、泊まっていくと同義だと気づくのにそう長くはかからず、俺はもっと頭を抱えた。
後は酒飲んで寝るだけで、彼女のこの格好で、泊まっていくと言ったらそれは。
「とんち、……こっち、来て。」
「……おまえ、なあ。」
その熱っぽい視線に囚われて、逃れられない。
仰せのままに、ソファへ寄っていく。あ、もう、これは。
「とんちのこと、誘ってるんだよ?」
スルッとその長くて細い指が頬に触れ、ゆっくりと降りてうなじを甘く引っ掻く。
その愛しい痛みを引き金にしたように、体に熱が灯るのを感じて。
浅はかな自分は、その上に覆いかぶさるように跨るだけ。
「……すぐ脱げるから、脱がせて」
その唇が艶やかな弧を描く“はじめ”の合図とともに、最低限の衣服の体を成すために首に巻きついていた黒のリボンを、勢いよく解いた。
**
トン氏、他の作品でも結構童貞殺すセーターの犠牲になってて草しか生えない
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メリージュ - 兄さんください。(._.)幸せなのだったら嬉しいです…。もしかしたら何度もリクエストしに来るかもしれません… (2017年12月3日 21時) (
レス) id: 1959cdd2de (このIDを非表示/違反報告)
さかにゃ(プロフ) - いつも楽しく読ませていただいております。どうしようもなくキュンキュンした気持ちを伝えたくコメントさせていただきました。私は特にほのぼのマンちゃんがお気に入りで何回も読んではキュンキュンしています！これからも楽しみにしています。 (2017年5月31日 20時) (レス) id: 6b07f0c14d (このIDを非表示/違反報告)
美音(プロフ) - うるつさん» コメント、ご感想、応援ありがとうございます！ リクエスト承りました。続編で書かせて頂くので、今暫くお待ちくださいね！ (2017年3月20日 23時) (レス) id: 8effde5d90 (このIDを非表示/違反報告)
うるつ - 本当にいつもみさせてもらっていて、鬱先生のを見るたびすごくキュンとしてたのしくみさせてもらってます!これからも頑張ってください! (2017年3月20日 13時) (レス) id: 8969005215 (このIDを非表示/違反報告)
うるつ - 鬱先生リクエストいいですか?できればかっこいい鬱先生とかがみたいです・・・ (2017年3月20日 13時) (レス) id: 8969005215 (このIDを非表示/違反報告)
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