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「…………え、父…さ…………？」
背中が熱い。
体の力が入らなくなって、その場に倒れ込んでしまう
Aにちらりと目をやると、呆然とした表情でこちらを見下ろしている
………怪我はないようだ、良かった。
剣がAに振り下ろされた瞬間、僕はAを突き飛ばした。
結果、その剣が自分を貫くことになるのは分かっていた
…それでも、僕はAを死なせたくはなかった。
せめてもの足掻きとして、切られた時スタンガンを最高火力にして当ててやった
それが効いたのか、敵は倒れ込んで動かない
「………はや、く………逃げて！」
嗚呼、もう声が上手く出せない。
掠れた声でそう言うと同時、少なくない量の血を吐き出す。
敵はもうすぐ側まで迫ってきている…
早く逃げなければ2人とも殺される
「……っ、やぁあああああああ！！！！父さん！！！！！！」
ようやく状況が理解出来たのか、Aがそう叫んで僕の体を抱え込む
…駄目や、そんなことしとる暇ない。
「トン、氏……！」
信じられない、といった顔で硬直している友人にそう訴える。
トン氏は一瞬躊躇した後、「分かった。」と言ってAを僕から引き剥がした。
「やめてトントンさん！！！父さんが！！！父さんが！！！！！」
そのまま泣き暴れるAを担ぎ、反対方向に走り出した。
……良かった、これなら十分逃げ切れるだろう。
近づいてくる足音を耳に、ゆっくりと目を閉じる
もう死ぬんか、僕。
.
.
.
嫌だ、怖い。
死にたくない
寒い、熱い、痛い、辛い
置いて行かないで
もっとみんなと一緒に居たかった。
もっとAと一緒に居たかった。
何もしてあげれていない。
父親らしいことを、なにもできなかった
ずっとずっと我慢させてばっかりで
辛い思いばっかりさせて
父親失格やな、僕
もう遅い。
もう会えない。
Aの笑顔を見れない。
Aの声を聞けない。
Aに触れられない
もう２度と
.
.
.
.
ああ、せめて最後に
「愛してる」と伝えたかった。
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すみれいん(プロフ) - 読み返すと先の内容がわかっているため涙が出ます。違う、そうじゃない、違うんや…とつ 呟きながら読ませていただいてます！ (2020年10月3日 21時) (
レス) id: a715f4eb82 (このIDを非表示/違反報告)
ガガ - 涙が凄い出てくる....ヤバイ、とっても良い作品でした。 (2020年3月10日 14時) (レス) id: a5ab59d983 (このIDを非表示/違反報告)
のと(プロフ) - あっ......ちょっとさっきの文章だめでしたかね...？すみません (2020年1月3日 14時) (レス) id: 2f54580e61 (このIDを非表示/違反報告)
のと(プロフ) - た。感動しました！ありがとうございます！ (2020年1月3日 14時) (レス) id: 2f54580e61 (このIDを非表示/違反報告)
のと(プロフ) - え..何この物語凄い...！！最後のこの話終わってないやんけっ！！やべぇ！！ってなった時、心が射抜かれた感じでめっさ衝撃的でした！！...あと、私事ですが「金を運んでんの馬なんじゃね？？いやそれは無いか....っえ！？馬じゃん」ってなってすっごく喜んでしまいまし (2020年1月3日 14時) (レス) id: 2f54580e61 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：音羽リン
| 作成日時：2019年12月21日 11時
