17age ページ33
それから、さらに3年。
Aは17歳になった。
そろそろ将来の職業について考える時期にもなってきた。
幹部の娘やし、やっぱ軍に入りたいと思っとるんやろか？
相変わらず体を動かすのが好きで、今ではシッマ相手に模擬戦しとるからなぁ…。
数年前に聞いた時は確か外交官になりたいと言っていたような。
数ヶ国語を操るし、マンちゃんも「優秀な外交官になるめう！」と喜んでいた
「…まぁ、軍に入れるつもりは無いけどな。」
自室で1人、そう呟く。
僕は、例えAが「軍に入って戦争したい」と言っても軍に入れるつもりはさらさらない。
幹部として、戦争で仲間が死んでいく光景を沢山みてきた
Aにはそんな光景を見て欲しくない
…というのは表の理由で、本当の理由は別にあった。
戦争に行くと、生きて帰って来れる保証は当然ない。
新兵が無事に帰ってくる割合は、6割いくかいかないかだ。
つまり…新兵の約2人に1人は初陣で命を落とす。
そしてそれは、Aも例外ではないのだ。
自分の娘を危険な職業に就かせたい親などいるはずがない
Aを失うのが怖い。
そう思うほど、Aのことが大切になっていた。
Aのものと比べれば、自分の命なんてどうでもいいと思ってしまうほどに。
「…ほんま、なんでこんな親バカなったんやろうなぁ」
机の上に置いてある写真立てを見て、そう呟く。
中にある写真は、初めて僕とAが2人で撮った写真。
Aの16歳の誕生日に、夕日をバックに撮ったものだった。
2人ともどこか緊張した面持ちで、ぎこちなくピースしている
2人の表情が面白くて思わずクスリと笑ってしまう。
こんな時もあったな、なんて懐かしさも感じた。
「…さて、トン氏のとこ行くか。」
まとめた書類を手に、ガタリと席を立つ。
あいつ期日にはうるさいからな、早めに出しに行かな……
そう思いながら、部屋の出口へと足を向けた時
城の警報が、けたたましく鳴り響いた。
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すみれいん(プロフ) - 読み返すと先の内容がわかっているため涙が出ます。違う、そうじゃない、違うんや…とつ 呟きながら読ませていただいてます！ (2020年10月3日 21時) (
レス) id: a715f4eb82 (このIDを非表示/違反報告)
ガガ - 涙が凄い出てくる....ヤバイ、とっても良い作品でした。 (2020年3月10日 14時) (レス) id: a5ab59d983 (このIDを非表示/違反報告)
のと(プロフ) - あっ......ちょっとさっきの文章だめでしたかね...？すみません (2020年1月3日 14時) (レス) id: 2f54580e61 (このIDを非表示/違反報告)
のと(プロフ) - た。感動しました！ありがとうございます！ (2020年1月3日 14時) (レス) id: 2f54580e61 (このIDを非表示/違反報告)
のと(プロフ) - え..何この物語凄い...！！最後のこの話終わってないやんけっ！！やべぇ！！ってなった時、心が射抜かれた感じでめっさ衝撃的でした！！...あと、私事ですが「金を運んでんの馬なんじゃね？？いやそれは無いか....っえ！？馬じゃん」ってなってすっごく喜んでしまいまし (2020年1月3日 14時) (レス) id: 2f54580e61 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：音羽リン
| 作成日時：2019年12月21日 11時
