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「パパ…？どこ行くの？」
背後から聞こえた不安そうな声に、思わず足を止めてしまう。
ゆっくりと振り返ると、Aがじっとこちらを見上げていた。
「…もうパパちゃうんやで。これからはトントンに育ててもらい？トントンなら、ずっと一緒にいてくれるで。」
「トントンが、パパ…？」
そうや、と言えば俯いて黙り込むA。
トン氏が「どうしたん？」とAに触れようとすると、ﾊﾟﾁﾝ!とその手が払われた。
払われたことに驚き目を丸くするトン氏。
僕もAの予想外な行動に目を丸くする。
そして、Aはすぅっと息を吸い込んだと思うと大声で叫んだ。
「パパじゃないと、やだ！！」
頭を、強く殴られたようだった。
Aの言葉に、そんな表現しかできないほどの衝撃を受けた。
「Aのパパはパパだもん！！パパじゃないとやだ！！！」
いやいや、と言って足にしがみついてくるA。
僕がどうしたら良いのか混乱していると、さらに言葉を続ける。
「もう我儘言わないから……ずっとパパと一緒に居たいとか言わないから、この部屋から出たいなんて言わないから！！」
だから…捨てないで。
そう言って、さらに強く足にしがみつくA。
必死になっているAを見て、何故か頭が冷えて冷静になる。
良く考えれば、分かった事だった。
…僕が、この子を娘だと認めていない時もこの子は僕を父親だと認めていた。
この子が初めて喋った時、「パパ」と言ったのは他の誰でもない僕に向けて。
さっき貰った絵にも、「パパ」とはっきり書かれていたじゃないか。
この子の父親は僕しかいない。
他の誰でもない、僕しか。
それをこの子は分かっていたのに、何故僕はそれが分からなかった？
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すみれいん(プロフ) - 読み返すと先の内容がわかっているため涙が出ます。違う、そうじゃない、違うんや…とつ 呟きながら読ませていただいてます！ (2020年10月3日 21時) (
レス) id: a715f4eb82 (このIDを非表示/違反報告)
ガガ - 涙が凄い出てくる....ヤバイ、とっても良い作品でした。 (2020年3月10日 14時) (レス) id: a5ab59d983 (このIDを非表示/違反報告)
のと(プロフ) - あっ......ちょっとさっきの文章だめでしたかね...？すみません (2020年1月3日 14時) (レス) id: 2f54580e61 (このIDを非表示/違反報告)
のと(プロフ) - た。感動しました！ありがとうございます！ (2020年1月3日 14時) (レス) id: 2f54580e61 (このIDを非表示/違反報告)
のと(プロフ) - え..何この物語凄い...！！最後のこの話終わってないやんけっ！！やべぇ！！ってなった時、心が射抜かれた感じでめっさ衝撃的でした！！...あと、私事ですが「金を運んでんの馬なんじゃね？？いやそれは無いか....っえ！？馬じゃん」ってなってすっごく喜んでしまいまし (2020年1月3日 14時) (レス) id: 2f54580e61 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：音羽リン
| 作成日時：2019年12月21日 11時
