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「大先生、お前の娘とやらが届いたぞ。」
「は？」
総統室に反響する、僕の腑抜けた声。
珍しくグルさんに呼び出されたと思えば、いきなりそんな事を言われ思考回路が停止する
硬直している僕を他所に、グルさんは部屋の端にある小さなベッドから1人の赤ん坊をとりあげた。
「ほら、お前の娘だ大先生。」
「うわっ、ちょ…！」
赤ん坊を手渡されて少しばかりたじろぐ。
僕の腕にすっぽりと収まった赤ん坊は、泣くこともせずにじっと僕の瞳を見つめていた
よくよく見れば、赤ん坊の髪も瞳も僕と同じ青藍。
顔立ちは…まだ赤ん坊だから分からない。
「まさか、髪と瞳の色だけで判断したんちゃうやろな？」
「違うな。ちゃんとこの子の母親が届けに来た………この子をよろしく頼む、ってな。」
心当たりぐらいあるんじゃないのか？と言われて言葉が出なくなる。
……ありすぎるほどあるのだ、心当たり。
「…この子の母親に返しといてや、僕には育てれんって。そもそも母親が誰かも分からんし、もし僕がこの子の父親だとしても育てるつもりなんて微塵もあらへんわ。」
「それは出来ないな。俺はその子の母親からその子を託された。約束を無下にすることは出来ない。…それに、その子は確かにお前の子だ」
「話にならんな……とにかく僕は子供なんか育てる気も暇もないで。じゃ、返しといてな」
そう言って再びベッドに赤ん坊を寝かせようとベッドに近づくと、グルさんに道を遮られる。
僕が言葉を発する前に、グルさんが口を開いた。
「総統命令だ、大先生。その子を育てろ」
「………ハイル・グルッペン。総統命令使うとか狡いやろ。」
総統命令には逆らえない。
僕ははぁっと溜息をつき、くるりとグルさんに背を向けて出口へと足を向けた。
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すみれいん(プロフ) - 読み返すと先の内容がわかっているため涙が出ます。違う、そうじゃない、違うんや…とつ 呟きながら読ませていただいてます！ (2020年10月3日 21時) (
レス) id: a715f4eb82 (このIDを非表示/違反報告)
ガガ - 涙が凄い出てくる....ヤバイ、とっても良い作品でした。 (2020年3月10日 14時) (レス) id: a5ab59d983 (このIDを非表示/違反報告)
のと(プロフ) - あっ......ちょっとさっきの文章だめでしたかね...？すみません (2020年1月3日 14時) (レス) id: 2f54580e61 (このIDを非表示/違反報告)
のと(プロフ) - た。感動しました！ありがとうございます！ (2020年1月3日 14時) (レス) id: 2f54580e61 (このIDを非表示/違反報告)
のと(プロフ) - え..何この物語凄い...！！最後のこの話終わってないやんけっ！！やべぇ！！ってなった時、心が射抜かれた感じでめっさ衝撃的でした！！...あと、私事ですが「金を運んでんの馬なんじゃね？？いやそれは無いか....っえ！？馬じゃん」ってなってすっごく喜んでしまいまし (2020年1月3日 14時) (レス) id: 2f54580e61 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：音羽リン
| 作成日時：2019年12月21日 11時
