我ら双子、鬼殺隊になる。【鬼滅の刃】

十三　「我ら極端」 ページ16

_________あいつが兄ちゃんを殴った。
全身が怒りで包まれた。





『私の家族に何すんだこのでこっぱち野郎がッ！！！』


「のあっ！？」





は？何こいつ。殴ったよね？兄ちゃん殴った奴は兄ちゃんに謝るまで許さねぇ。

口の悪さを全開にしながら刀を降り下ろす。でこっぱちはそれを器用に避けるだけで刀を抜こうとしない。





「君は一体誰なんだ！一旦落ち着いてくれ！！」


『家族が殴られたのに落ち着けだぁ！？ふざけんなよこっちは怒り心頭なんだよ！！！』





でこっぱちの足を引っかけて、刀を降ろうとした瞬間、服の襟が引っ張られて空へ飛んだ。すぐに分かる。こういう事をするのは兄ちゃんだけだから。





「A！！俺がこいつより強いとこ見とけよ！！！」


『(まだそれ言ってるんだ...)』





下へと落ちながらそんな事を考える。
何だよ、全然元気じゃんか。私の怒り散ったよね。

木の枝に掴まりながら降りた時には、さっきまでが嘘みたいに落ち着いた。





「隊員同士の戦いは隊律違反だ！」


「なら素手だ！」





兄ちゃんらしい結論に頷きながら言われた通り、二人の戦いをじっくりと見る。
兄ちゃんは相変わらず攻撃ばかりだけど、でこっぱちの防御がスゴい。もちろん私たち程じゃないけれどね。
相手への傷を最小限に収めてる。......だからといって兄ちゃん殴った事は許さないんだよね。

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