【d!】虚構の館【パロディ】 (ページ10)

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sha,side

「いやー、ビビることなかったやんな！！
何もあらへんかったし」

廊下へ戻る途中で、俺がみんなにそう声をかけると、

みんなはこちらを振り返った

しかし何故か、その顔は恐怖に歪んでいた

みんなどうしたんやろか？

「おーい、どうしたみんな？
そんなこの世の終わりみたいな顔しよって？」

そこで俺は、みんなの視線が俺のさらに後ろに集中していることに気がついて、

後ろを振り返った

え…………？

一瞬理解ができなかった

だが確かにそこには、

ジリジリとこちらに迫り来る人間の頭部のような形をしたバケモノがいた

恐怖で体が金縛りにあったように動かなくなった

rb「ッ危ない！！みんな逃げろ！！」

ロボロがそう叫んで、みんなが一目散に扉へと走る

俺も動かない足を何とか動かそうとした

しかし、そんな俺の努力もむなしく

扉の目の前で足がもつれて床に倒れ込んでしまった

バタンと音を立てて勢いよく扉がしまった

ロボロが閉めたのではないということだけはわかった

気がつけば俺は、

あのバケモノに扉の前に追い詰められてしまった

kn「ッシャオロン！！！」

扉の向こうから、コネシマの呼ぶ声が聞こえる

声を出したかったが、

どれだけ叫ぼうとしても俺の喉からはか細い呼吸しか出てこない

思い岩を引きずるような音にハッとして視線を前に戻した

バケモノはもう俺のすぐ目の前まで迫っていた

sha「い、嫌や…………死にたないッ………！！」

命乞いなんて通用しないとわかっているのに、

俺の口はそんなことを口走る

sha「嫌、嫌だ…………
俺は、まだ……………ッ！！！！」

あいつらと一緒にいたかった

その言葉が俺の口から発されることはなかった

生々しく痛々しい音と全身を劈くような痛みとともに

俺は意識を手放した