中身は大人? ページ7
幾つか画面を操作して耳に当てると、五秒もしない内に相手と繋がったようだ。
あちらも気を揉んでいたらしい。
?「もしもし、博士?…ええ、私よ。スマホの充電が切れちゃって、たまたま通りかかった親切な人に貸してもらったの」
親切な人だってよ、やったぜ。
女の子から見えない位置でガッツポーズする。
褒められるのは嬉しいが、こんな可愛い子に褒められればもっと嬉しい。
今なら某脅威に喧嘩売っても勝てるかもしれない、多分。
舞い上がる気持ちを隠しつつ、相槌をしたり受け答えをしている女の子を見守る。
…そういやこの子、やけに話し方が大人びているな。
?「……ええ、ええ…分かってるわ、そこまで子どもじゃないもの。…それじゃあ、また」
通話を終えると、女の子は桜庭を見上げ、使っていた彼女のスマホを返す。
「お家の人、なんて?」
?「…どこにもいないから、心配したって。それから、貴女にあまり迷惑掛けないようにって言ってたわ」
「そっか。別にいいよ、迷惑やなんて思ってないから。………よしっ、折角だし送ってくよ。お嬢ちゃんより私の方が土地勘あるし」
スマホを受け取り頭をくしゃくしゃ撫でると、少し乱れた髪の向こうで女の子が擽ったそうに笑っていた。
ホンマ可愛ええなあ、私もこんな妹が欲しかった。
いるのは精々、外面だけは無駄にいい小生意気な弟だけだよ畜生。
「私、桜庭っていうんやけど。君は?」
灰原「知ってる。…私は、灰原哀よ」
「哀ちゃんか、ええ名前やね」
互いに自己紹介を済ませたところで、桜庭は灰原を連れだって長い廊下を歩く。
灰原の保護者と合流するまでの間、二人はとりとめの無いことを話した。
学校のことや今流行になっているもの、好きなものといった、些細でありふれた話を。
桜庭は立場が立場なのであまり多くを語れないが、桜庭になる以前のことなら話すことが出来た。
「私が小学生くらいの頃、クラスで早弁が流行ったなあ。授業中、誰が先生にバレへんように完食出来るかって」
灰原「ふふっ。…それじゃあ、お昼になったらみんなお腹空いちゃうわよね」
「あはは、そうやねぇ。でも、それやったら先生に絶対バレるから、それぞれおやつ代わりを持ち込んでたんよ。早弁するのはそっちの方」
あの時は先生の目があったから、全員の弁当が空になっていればまず気づかれる。
なので、囮としておやつになるものを各自で用意した記憶がある。
あれは確か、委員長の発案だったっけ?
…しかし、隣の席でワイルドに林檎を丸かじりするクラスメイト(女)を見た時は、流石にどう反応すればいいか分からなかった。
パパでも無ければお兄ちゃんでも無く→←私はいつからメデューサに…?
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おふう(プロフ) - ゆきなさん» ちょっと操作を誤ったので、改めて返信をば。ゆきなさんコメントありがとうございます!因みに「コナソ」は「テニヌ」や「アソパソマソ」みたいな感じで、わざとやってたりします。まあタイトルだけなんで、読む分には支障が無い…筈! (2019年4月23日 11時) (携帯から) (レス) id: 1bc19ad3d0 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきな(プロフ) - 後、わざとかわかりませんが題名のところで【コナン】が【コナソ】になってます (2019年4月23日 11時) (レス) id: e7791cc44f (このIDを非表示/違反報告)
ゆきな(プロフ) - わろす-wです!この続きを楽しみにしています!なのでこれからも無理せずに頑張ってください! (2019年4月23日 11時) (レス) id: e7791cc44f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おふう | 作成日時:2019年4月17日 0時