私はいつからメデューサに…？ ページ6
ヤバいよヤバいよと心の中にいる出川を増殖させながら、桜庭は「さてどうしたものか」と首を傾げる。
いくら声を優しくしても、流石に後ろからいきなり話し掛けるのはマズかったか。
知らない人に突然声を掛けられたら、そりゃあ驚くもんだろう。
子どもなら尚更だ。
…参ったな、変な汗が出そう。
あー、うー、と唸りながら、帽子からはみ出た髪の毛を指先で遊ばせる。
「おーい、大丈夫？」
？「……ぇ、…あ……はい。大丈夫、です」
「良かった、立ったまま気絶したんかと思った…」
取り敢えず、桜庭を見上げたままフリーズした女の子の眼前で、数度手を振る。
ハッと我に返った女の子は、やや緊張した面持ちだが桜庭の目を見つめ返し、しっかりと答えた。
…話し掛けただけで気絶されたら、いくら何でも流石に傷つく。
苦笑しながら胸を撫で下ろすと、桜庭は女の子の目線に合わせて屈む。
「ここ、ライブの関係者じゃない人は入っちゃ駄目なんだよ。道に迷ったの？」
？「…ごめんなさい。用を足しに行ったんだけど、帰り道が分からなくなってしまって…」
「あー…まあ、慣れん内はそうだよねぇ。それじゃあ、お家の人と連絡取れるかな？」
？「そうしようと思ったけど、充電が切れてしまったの」
「あらら」
それは災難だ、一人では心細かっただろうに。
この時代、スマホが無いとなかなか不便なのだ。
きっと今頃、この子の保護者が繋がらない電話にヤキモキしながら心配している筈。
桜庭はポケットからスマホを取り出すと、それを起動させて女の子に差し出す。
「ほい、これ使って」
？「…え？これ、貴女の………いいの？」
「いーのいーの、まだ充電に余裕あるし。早くお家の人安心させてやんな」
戸惑うように目を白黒させる女の子に、半ば無理矢理スマホを押しつける。
こういう時は、素直に甘えておくべきだ。
女の子もそれが分かったのだろう、やがて根負けしたようにスマホを受け取り、小さく「ありがとう」と言った。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 52人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
おふう(プロフ) - ゆきなさん» ちょっと操作を誤ったので、改めて返信をば。ゆきなさんコメントありがとうございます！因みに「コナソ」は「テニヌ」や「アソパソマソ」みたいな感じで、わざとやってたりします。まあタイトルだけなんで、読む分には支障が無い…筈！ (2019年4月23日 11時) (携帯から) (
レス) id: 1bc19ad3d0 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきな(プロフ) - 後、わざとかわかりませんが題名のところで【コナン】が【コナソ】になってます (2019年4月23日 11時) (レス) id: e7791cc44f (このIDを非表示/違反報告)
ゆきな(プロフ) - わろす-wです！この続きを楽しみにしています！なのでこれからも無理せずに頑張ってください！ (2019年4月23日 11時) (レス) id: e7791cc44f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：おふう | 作成日時：2019年4月17日 0時
