よし、笑おうか【二口堅治】

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「おー来た来た」

「……資料室、いくつあるか知ってる？」

「会えたからいーだろ」



昼休み

適当に取り付けられた約束とはいえ無下にもできず、結局資料室まで足を運んでしまった私は酷くお人好しだ。

しかし前述したように、資料室なんていくつもあるわけで。

工業高校故に、変な部門のとこも多いし。

ここに着くまで３個はまわった。

なのに二口は悠々とパンを頬張っている。

私の努力と昼休みを返せ。



「お前、飯は？」

「……教室。誰かさんのせいで時間なかったし」

「へーへー、すいませんでした……んなこったろーと思って買っといてやったぞ」



感謝しろ〜、なんて言いながら昨日のタオルのように投げつけられた何か。

寸前でキャッチすると、それは焼きそばパン。

包装の簡素さから、コンビニとかではなくて、学校の購買で購入された物だろう。

買っておいてくれた……ということは私が来るのを信じていたということか、もしくは単なる気まぐれか。

お昼の購買なんて激戦区なのに。

よく私の分まで買う余裕あったな。

……タオル代という名目で来たはずなのに、奢ってくれるなんて、いったいどーゆうことだ。

二口って、結構変な奴。



「……炭水化物×炭水化物を女の子に渡すとか、さすが二口だわ」

「え？女子なんている？」

「うっざ」

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