遠藤さん ページ5
「なぁ白布」
「ん?」
「うちの学年の、田中さんでも佐藤さんでも鈴木さんでもなくて、多分相田さんでもない……ワンチャン井上さんな人知らない?」
「そんな奴山ほどいるぞ」
「あ、女の子ね」
「だからどうした」
部活前、着替える手を止めて白布は怪訝な目を向けてきた。
まぁ確かに山ほどいるわな、そんな人。ただでさえ人数多いから、うちの学校。
「なんで?」と聞かれたので「可愛いなって思ったから」と答えると、ニヤニヤされた。あぁ俺今絶対余計な事言った。
「へ〜、可愛いと思ったんだぁ?」
「うるさいうるさい、言うな聞くな」
「そうだな、ランニング行くか」
「ねぇ、もう一弄りしようよ?」
「めんどくせっ」
白布という男の引きの早さよ。
それでも部室を出るとき「一応、『うちの学年の、田中さんでも佐藤さんでも鈴木さんでもなくて、多分相田さんでもないワンチャン井上さんな人』考えてみるわ」と言ってくれる。
やばい、こいついい人。
そんな事を考えつつも走り始める。
先頭を走るのは当時の3年。でも基本その中、もしくはその前に、一つ上の牛島さんはいる。あんなスピードで走り続けられるのだから尊敬せざるを得ない。
それについていこうとでもすれば、残りの部活の時間リバース決定だ。俺のペースで行こう。
「……あっ!」
まだ走り始め、周りに部員も固まっていて不思議そうな視線を送られる。白布にも然り。
そんな中声を上げてしまったのは恥ずかしいが、仕方ない。もはや条件反射的なアレだ。
察しはつくだろうけど、あの子がいた。
……帰宅部なのか。
いやいや、そんな事ばっかり。そろそろストーカーみたいになってきてね?俺。
────そしてランニング終了後
「白布、さっき歩いてた子知ってる?」
「どの子だよ」
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花見っ子(プロフ) - 黒アゲハさん» 嬉しい!あざす!! (2020年12月6日 23時) (レス) id: 20bc02c642 (このIDを非表示/違反報告)
黒アゲハ - 最高!!です!!(語彙力低下) (2020年3月8日 11時) (レス) id: e50eb8517a (このIDを非表示/違反報告)
花見っ子(プロフ) - 柚子胡椒さん» コメントありがとうございます。おかげさまで完結です……読んでくれて嬉しいです。 (2019年3月30日 20時) (レス) id: e5466e3cbf (このIDを非表示/違反報告)
柚子胡椒 - 太一ッッ!!!もう、やばい。ヤバい(語彙力) こういう話大好きです!更新お疲れさまでした!もう、文章が綺麗すぎて…自分の名前出てきた時はハウッてなりましたね。はい。夢主ちゃんと太一可愛すぎて…白布が苦労するのも分かるわ…(笑) (2019年3月29日 22時) (レス) id: 28791102e9 (このIDを非表示/違反報告)
花見っ子(プロフ) - Zeroさん» コメント感謝です。太一素敵ですよね…… (2019年2月10日 14時) (レス) id: e5466e3cbf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:花見っ子 | 作成日時:2018年9月15日 21時