竹田さん ページ17
その後、先生に探されていたというAさんは、その先生に会いにその場を離れた。
まぁ必然的に残された俺と白布は2人っきりになったわけだが
『……白布』
『……なんだよ』
『気付いた時点で言えよ⁉ お前の中で “ 川西太一の言うAさん=宮下Aさん ” の方程式が成立した時点で俺に言おうよ⁉俺1人でめっちゃ意味わかんない事しちゃったじゃん!』
『太一、今日はよく話すな。てか憶測でしかなかったわけだし、しょーがねえだろ。宮下とは中学一緒だっただけだし、クラスも違うし』
『でも仲良かったじゃん』
『それは見方によるだろ……まぁ良かったな、名前知れて』
『……』
まぁ一方的に八つ当たりし、一方的に押し包められた。てか白布の方が正論だったといえば、それだけど。
……そしてここまでが、長ーい長ーい俺の回想にあたる。いや、実に長かった。まるで約15話に渡る話を一気読みした気分である。
そんなとこからすると、酷く話が飛ぶようにも思えるが、そこは目を瞑っていただきたい。
「たーいちくーん」
「なーあーにー」
「相変わらずの表情とセリフの合ってなさ!」
あの後、良くも悪くも “ 何もなく ” 、中間地点に白布を挟むという微妙とも形容できる一定距離を保ったままの関係で時は過ぎ、留年する事もなく無事に2年生になったわけだ。
どこぞの漫画的展開で、「クラス替えで気になるあの人と同じクラスに♡」的な展開……は、なかった。
もう一度言おう、なかった。
なんせ白鳥沢は規模がでかいんです。クラス数も多いんです。しかももっと言えば、彼女と文理選択別れたんです。なんてこった。
という事で、そういうのも含めて全体的に “ 去年のまま ” である。
「ちなみに、それは?」
「竹田さんの地理の教科書ですね」
「そうですか……」
彼女の忘れ物癖も、去年のまま。
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花見っ子(プロフ) - 黒アゲハさん» 嬉しい!あざす!! (2020年12月6日 23時) (レス) id: 20bc02c642 (このIDを非表示/違反報告)
黒アゲハ - 最高!!です!!(語彙力低下) (2020年3月8日 11時) (レス) id: e50eb8517a (このIDを非表示/違反報告)
花見っ子(プロフ) - 柚子胡椒さん» コメントありがとうございます。おかげさまで完結です……読んでくれて嬉しいです。 (2019年3月30日 20時) (レス) id: e5466e3cbf (このIDを非表示/違反報告)
柚子胡椒 - 太一ッッ!!!もう、やばい。ヤバい(語彙力) こういう話大好きです!更新お疲れさまでした!もう、文章が綺麗すぎて…自分の名前出てきた時はハウッてなりましたね。はい。夢主ちゃんと太一可愛すぎて…白布が苦労するのも分かるわ…(笑) (2019年3月29日 22時) (レス) id: 28791102e9 (このIDを非表示/違反報告)
花見っ子(プロフ) - Zeroさん» コメント感謝です。太一素敵ですよね…… (2019年2月10日 14時) (レス) id: e5466e3cbf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:花見っ子 | 作成日時:2018年9月15日 21時