今日は何さんですか？【川西太一】

千田さん ページ15

「⁉」

「いや、なんとなくそんな気がしててさ。っていうか当たり前だよね、よく考えたら私、自己紹介してないもん」

「……でもAさんは、俺のフルネーム知ってるじゃん」

「だって太一君、メモにフルネーム書いてたし」

「あ」



彼女は怒るわけでもなく、ましてや引いたり気を悪くするわけでもなくニコニコ……いや、結構豪快に笑い続けた。

そんな間で「むしろなんで私の下の名前は知ってたの？」なんて聞かれて。

たまたま聞いたからです。そしてタイミング掴めずに、名前を直接聞くことが出来ずに悩んでました。

……なーんて言えるはずもない。言えたらシャイボーイ極めてねえよ。

間が悪いので視線を逸らすと、また笑われて。



「太一君って無表情かと思ってたけど、わりと感情表に出すね」

「そう？」

「今も『気まずくて困ってます』感」

「……」



見事に言い当てられて、ぐうの音も出ない。

【朗報(？)：俺はわりと表情豊からしい】

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