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「……でもさ、悪い事ばっかじゃないんだよ?」
「そうなの?」
「うん」
先に気まずい沈黙を破ったのはAちゃんだった。そんで幽霊も悪い事ばかりじゃない、なんて言う。
何かな、と思って耳を傾ける
「例えばね〜……『賢二郎』とか」
「え?」
「……ほら、私って苗字呼びだったじゃん、あいつのこと。前も恥ずかしくって呼べなくてさ。だから……バレずに下の名前呼べるんだ」
あはは、と力なく少し自嘲するようにAちゃんが笑う。笑ってる割に、泣きそうで。
俺もつられて切なくなった。
「……ねぇ、Aちゃん」
「何?」
「もしも……もしもの話、なんだけど
「……あ、天童さん!ストップ」
言いかけた言葉を止められて、何事かと思えば蛇口を止める音がした。賢二郎の片付けが終わった合図だ。
そうすれば、賢二郎もこっちの部屋に戻ってくるだろうし、Aちゃんとのお話も一旦これまで。
そして予想通りに賢二郎が部屋に入ってくる。
同時に俺は、1つ言葉を飲み込んだ。
(「もし、未練が叶ったらAちゃんは成仏しちゃうの?」……とか)
もし仮に、それを聞いて
「そうだよ」なんて返事が返ってきたら
俺はどうするつもりだったんだろ
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花見っ子(プロフ) - しらぶんさん» いろいろ嬉しい、嬉しすぎる……コメント、閲覧、応援等々、本当にありがとうございます!! (2018年9月15日 20時) (レス) id: e5466e3cbf (このIDを非表示/違反報告)
しらぶん - 号泣しました…(/ _ ; )夢小説の中で一番好きです応援してます!(;o;) (2018年9月11日 21時) (レス) id: 60c7235e41 (このIDを非表示/違反報告)
花見っ子(プロフ) - 名無しさんさん» 嬉しいです!応援とか嬉しすぎる……!こちらこそありがとうございます、頑張ります! (2018年8月29日 23時) (レス) id: e5466e3cbf (このIDを非表示/違反報告)
名無しさん - ああああああああああ、涙が止まらないぃいいいいいいいい(。´Д⊂) こんな感動的なお話をありがとうございました! これからも応援してます!!!!!!!!!!! (2018年8月27日 0時) (レス) id: 54bde7057f (このIDを非表示/違反報告)
花見っ子(プロフ) - *あまふく*さん» 読んでもらえただけでも嬉しいのに、素敵なコメントまで……!本当にありがとうございます!!そんで白布かっこいいですよね! (2018年8月18日 1時) (レス) id: e5466e3cbf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:花見っ子 | 作成日時:2018年7月1日 12時