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【天童side】
「さー、賢二郎っ!鍵を開けちゃってください!」
「……」
「はーいそこ、心底めんどくせーみたいな顔しないの!先輩には快く接しなさーい」
「…………」
大学の授業が終わり、さてどうしようかなって思っていたら賢二郎に偶然遭遇。
そして今、そのまま賢二郎の家に突入しようとしている真っ最中。
もー、この目で語るところは高校から変わってないね!
「……天童さん、最近よくうち来ますよね」
長いため息を一つ吐いた後、賢二郎はそう呟いた。そう言いながらも鍵を開けてくれてるのがね、さすが賢二郎だよね、うん。
「だって賢二郎の家、大学から近いんだも〜ん」なんて答えつつも、綺麗に掃除されている玄関に足を踏み入れる。
まぁ確かに、その理由にも一理ある。だって徒歩で行き来できるって羨ましくない?俺ん家も大学の方で紹介されてたとこだけど、電車はマストユースだから。賢二郎の家を思うと不公平だーって思うわけよ。
(……つっても、まぁ……ネ)
靴を脱いで上がらせてもらうと、少し明るめの声が改めて迎えてくれる。
それを確認するように、少し視線を上げれば
「天童さん!また来てくれたんだ!」
「うん、Aちゃん、こんにちは」
お茶を用意すると言ってた先に中に入っていった賢二郎に聞こえない程度の声で返事をする。
勿論、この声の主というのは
「もー、やっと話し相手がキタァ!って感じ」
「いやー、そうは言っても、そんなにおおっぴらには話せないヨ。賢二郎からしたら俺、変な人だからネ?」
「天童さん、元から変な人じゃん」
「……腹立つッ!!」
数ヶ月前に、交通事故で亡くなった
賢二郎の彼女・Aちゃんである。
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花見っ子(プロフ) - しらぶんさん» いろいろ嬉しい、嬉しすぎる……コメント、閲覧、応援等々、本当にありがとうございます!! (2018年9月15日 20時) (レス) id: e5466e3cbf (このIDを非表示/違反報告)
しらぶん - 号泣しました…(/ _ ; )夢小説の中で一番好きです応援してます!(;o;) (2018年9月11日 21時) (レス) id: 60c7235e41 (このIDを非表示/違反報告)
花見っ子(プロフ) - 名無しさんさん» 嬉しいです!応援とか嬉しすぎる……!こちらこそありがとうございます、頑張ります! (2018年8月29日 23時) (レス) id: e5466e3cbf (このIDを非表示/違反報告)
名無しさん - ああああああああああ、涙が止まらないぃいいいいいいいい(。´Д⊂) こんな感動的なお話をありがとうございました! これからも応援してます!!!!!!!!!!! (2018年8月27日 0時) (レス) id: 54bde7057f (このIDを非表示/違反報告)
花見っ子(プロフ) - *あまふく*さん» 読んでもらえただけでも嬉しいのに、素敵なコメントまで……!本当にありがとうございます!!そんで白布かっこいいですよね! (2018年8月18日 1時) (レス) id: e5466e3cbf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:花見っ子 | 作成日時:2018年7月1日 12時