花巻貴大 ページ28
岩ちゃんに、砕けてきます宣言をして早数時間が経過。
絶讃昼休み中、花巻君を探してます。
岩ちゃんに宣言してしまった以上、ちゃんと砕けなければ……！
いや、もちろん砕けたくはないけど。
「あ、Aさーん」
「おべっ⁉」
「『おべっ』？」
後ろから声をかけられて、誰かと思えば噂のマッキーこと花巻君。
岩ちゃんの前でこそ “ マッキー ” と呼んでいるが、本人の前では “ 花巻君 ” と呼んでいる。
だって、なんか照れるじゃないか。
そんな彼は「いや、教室に戻ったらAさんが俺のこと探してたって聞いてさ」と言った。
つまり、わざわざ追いかけて来てくれたのか。
相変わらず優しいな……まぁそんなことより。
たまたま今私たちのいる場所に、人はいない。
こんな絶好のチャンスを逃してたまるか。
「花巻君を探してたのは言いたいことがあったからなんだけどさ……」
「おう、何？」
「あのね、私ね────」
よし、言え。そのまま伝えちゃえ。
告白の返事は副賞だ。主目的は告白する事自体。
フられるとか、そうゆーの気にするな。
そのまま言っちゃえっ！
「春巻き君が好き！」
「……ん？」
言った、言ってやったぞ。
最初に感じた達成感、次に感じた小さな違和感。
花巻君の反応が変だ。
「春巻き君って、イメキャラ？」
「……What？」
「いや “ 春巻き君 ” が好きなんだろ？」
そう言われてみて自分の台詞を反芻してみる。
『“ 春巻き君 ” が好き！』
「あ……あはははは！そう、好きなの春巻き君！可愛くない⁉ 」
「いや、俺知らないけど……」
間違えたぁ────！
誰ですか春巻き君、私とて知らんわ。
砕けるどころか、粉砕しました。
なんだよ私、馬鹿じゃん。
「……じゃあ、用はそれだけなので」
恥ずかしいけど、とりあえず今はこの場を脱出しよう。
この醜態と共に岩ちゃんに報告しよう。
そう思ったら、クイッとブレザーの裾を引かれて。つられて振り返ると
「……で？本当は何君が好きなの？」
意地悪そうに笑うマッキーがいた。
ねぇ、絶対にわかってるでしょ⁉
「……“ 花巻君 ” 」
「ありがとう、俺もAさん好きだよ」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 154人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ハイキュー」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
狼(プロフ) - 花見っ子さん» 読ませていただきました！相変わらずの言葉選び…流石です！リクに答えて下さりありがとうございました！ (2018年3月13日 21時) (
レス) id: 87ed5bc7b7 (このIDを非表示/違反報告)
花見っ子(プロフ) - 狼さん» 狼さんにコメントいただけるとは……！私、狼さんの作品読んでます。子育てシリーズ、面白くて好きです……あ、話は逸れましたが、リクエスト了解です！ありがとうございます。 (2018年3月13日 20時) (レス) id: e5466e3cbf (このIDを非表示/違反報告)
狼(プロフ) - 初めまして！花見っ子さんの作品は前々から読んでいました！どれも文章が素敵で花見っ子さんの文才が欲しいです←リクなんですけど、白布君とスガさんお願いします！これからも頑張ってください！ (2018年3月12日 22時) (レス) id: 87ed5bc7b7 (このIDを非表示/違反報告)
花見っ子(プロフ) - 月神 琉夏さん» そんな事言ってもらうと照れますね(〃ω〃)← ありがとうございます！ (2018年3月11日 11時) (レス) id: e5466e3cbf (このIDを非表示/違反報告)
月神 琉夏 - 国見かっこいい・・・マジ惚れる・・・カッコ良死する・・・// (2018年3月10日 23時) (レス) id: d275e2e01f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：花見っ子 | 作成日時：2018年3月9日 15時
