澤村大地 ページ31
今日なんて、来て欲しくなくて。
なんで年下なんだろうなんて、どうしようもないこと考えちゃって。
「さー君、卒業生みたい」
「みたいじゃなくて、卒業生なんだよ」
大好きな人を送る、大嫌いな日。
年上の幼馴染のさー君こと澤村大地は私の言葉に苦笑いをする。
今日は卒業式だ。
「……」
学ラン姿の彼を目に焼き付ける。
幼稚園、小学校、中学校、高校。
ずっと一緒で、同じ学校の制服を着れていた。
男女だったから、厳密に言ってしまえば違ったけど、お揃いみたいで嬉しかった。
でも大学に行ってしまうなら、もうそれは叶わない。ここが最後のお揃いなのだ。
「A？」
「……もうお揃い作れないのかぁって」
「お揃い？」
「制服とか、学校とか……寂しいな」
私がそう言うと意図を理解してくれたようで、さー君は困ったように目尻を下げた。
そろそろ涙腺も危なくなって来て、隠すように下を向いた。
「……お揃いなんてさ」
「……？」
そう言って彼は卒業生が胸につけるコサージュの一部をちぎった。
その行動にギョッとして目を見開く。涙なんて止まってしまった。
そんな私にお構いなく、さー君は私の胸ポケにそのちぎった一部を軽く刺した。
「お揃いなんて、これからも作っていけばいいよ。今も一つ作ったし」
お父さんみたいな笑顔を見せる大好きな幼馴染。
彼の言うことを理解して、彼の行動を理解して
今度こそ涙が溢れた。
「……ざあ"ぐん……」
「ん？」
なみだと鼻水で、もう何を言ってるか自分でもよくわからない。
でも言わないと。
もうお揃いは着れないけど。これからも、さー君と同じものを私も作りたいよ。
だから、ちゃんと言うんだ。
「卒業……おめでとう！」
「……あぁ、ありがとう」
そう言って彼は、優しく頭を撫でるのだ。
これ以上、涙腺崩壊させないでくれ。
でも
「……さー君も泣くんだね」
「……うるさいよ」
こんな泣き顔もお揃いかな、なんて。
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P.N 影黒 赤美 本名里崎雅美(プロフ) - 花見っ子さん» とても面白かったです!!ありがとうございます!! (2018年4月15日 19時) (
レス) id: 3ce43cb10f (このIDを非表示/違反報告)
花見っ子(プロフ) - P.N 影黒 赤美 本名里崎雅美さん» 表立ったシチュリクは受けてなかったので、上手く答えられてるかは微妙なんですが、こんな感じでどうでしょうか……ご期待に添えれてなかったらすいません。リクエストありがとうございました！ (2018年4月15日 19時) (レス) id: e5466e3cbf (このIDを非表示/違反報告)
P.N 影黒 赤美 本名里崎雅美(プロフ) - 面白かったです!!あの…リクエスト良いですか…？赤葦お願いします!!同じ2年で同じポジションでお願いします!! (2018年4月13日 22時) (レス) id: 3ce43cb10f (このIDを非表示/違反報告)
ひつじ*ひらひら。 - 見せていただきました!!とても素敵でした!!ありがとうございます! (2018年4月11日 9時) (レス) id: c9d3db91be (このIDを非表示/違反報告)
花見っ子(プロフ) - ひつじ*ひらひら。さん» 素敵だなと思ったので、シチュ（少し変えて）使わせていただきました！ありがとうございます。そして返事遅くなってすいません！ (2018年4月10日 22時) (レス) id: e5466e3cbf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：花見っ子 | 作成日時：2018年4月2日 20時
