同じ【HQ短編集】

川西太一 ページ14

時は４月１５日。

新学期が始まって皆がまだ慌てている時期。

花粉が辛い時期、日光がポカポカ暖かい時期。

そんな俺の誕生日。


「太一〜、おめでと！」

「わー、天童さんありがとうございます嬉しいです。いやー、俺花粉症っぽいんで嬉しいですマジで」

「安定の真顔と棒読みだネ」


朝から貰い続け、今１０何個目かの箱ティッシュを貰った。

やべえ、俺モテモテ。


「あ、太一」

「Aじゃん」


そんな感じで学食で祝われていたら、また１人に声をかけられた。

天童さん達は帰ったので、隣にいたのは白布だけで、白布はチラッとその子に視線をやった。

彼女は友達のAである。

去年クラスが同じで、最初の席が隣だった。

とはいえ、それだけじゃない。


「誕生日おめでと！」

「そっちこそ」


同じ日が誕生日、そんな偶然。

去年知ったのは誕生日当日だったけど、まぁそれを機に仲良くなれたと言うか。


『え、川西君って誕生日今日なの？』

『うん』

『マジかおめでとう。私もだよ』

『マジ？おめでとう』


……うん、確かにこんな事もあったな。

まぁ、仲良くなれたので結果オーライ。


「じゃあ誕プレどーぞ」

「サンキュー……え、何これ」

「可愛い柄の消しゴム」

「あきらかに女子用じゃん……」

「太一ならいけるって」

「……じゃあ、はい」


そう言って俺も誕プレを彼女に渡した。

何だったかは……恥ずかしいのでご想像にお任せしよう。


「ありがとう！じゃあ行くね」

「ん〜」


小走りに戻って行く彼女から視線を戻し、さて飯の続きと思えば、向に座る白布から禍々しい視線を感じた。

ヒィ。


「……んだよ」

「デレデレしてんな太一」

「え、真顔キープしてたじゃん」

「セッターなめんな」

「え、怖……でも付き合えってる訳ではない」

「へぇ」

「つまり、お前の方がリア充なんだぞ〜」

「……うっせ」

「よかったな、正夢にならなくて」


そんな話をしながら、食べかけだったカレーに手をつける。

“ 同じ誕生日 ”

クラスが離れてしまった俺とAの共通点なんかそんなもん。

だからこそ、大事にしたい。

来年もちゃんと祝いたいし、次祝う時は関係に前進があったらいいな、なんて。







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Happy Birthday 太一！

太一かっこいいよね、うん知ってる←

二口堅治→←赤葦京治＊

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