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「俺も入れてくださいよ、せーんぱい」
正直に言おう、怖くて死にそう。あの表情を、あの言葉を、直に向けられてたら確実に泣いてた。ニコニコしてるくせに目だけは鋭い。殺気を孕んでいるような、そんな感じ。見てるだけで腰が抜けそう。
こんなに怖い国見は、流石に見たことなかった。
「てか先輩さっき言ってたことと録音で言ってる事、結構違いますね?不思議だなあ」
「だって、それはっ」
「俺にはどう考えてもそいつを嫌がらせしてたようにしか聞こえないっすね」
「……だって国見君、こいつ貴方のストーカーなのよ!?迷惑してるでしょ?だから私がどうにかしようって思ったの!」
ギッと先輩が国見から視線を逸らし私を睨みつける。急に来たものだから「ヒッ」と情けない声が出た。多分側から見るに蛇に睨まれたカエルの状態だろう。
そんな先輩の様子に国見はまた暫く黙り、ハァとため息をついた。
「……ストーカー?そいつが俺の?何を根拠にそんな馬鹿らしい事を」
「だって昨日私が告白してる時いたのよ、その子!国見君の事聞いた時も挙動不審だったし!絶対そうじゃない!」
「……今時小学生とかの方がもっとマシな言い訳思いつくと思いますけど。てか自分の事は棚に上げてよく言いますね」
「じっ、自分の事って何!?」
「……先輩、もうそういうのいいって言ってんじゃないですか。ストーカー、ストーカー言ってますけど、じゃあ昨日そいつをつけてたあんたは何になります?」
「……っ!」
先輩が苦虫を噛み潰したような表情をする。綺麗な顔が台無しだ。
そしてここで急に私は話についていけなくなった。つけてたって何のこと?先輩が私を?いつ?
『気をつけて帰れよ』
ここでふと、昨日の水瀬君を思い出す。
全然意味がわからなかったけど、もしかして。
「……本当に気付いてなかったのかよ」
「え、え?何で国見が知ってんの……?」
私がそう言うと国見は言いづらそうに視線をフイッとずらしてから聞こえるか聞こえないかの声で「水瀬から電話きたんだよ」と言った。
「どうせさっきからストーカーがどうの言ってるのも、水瀬とお前が話してるの聞いて勘違いしたんだろ」
「……っ、じゃあ!なんでその子昨日いたのよ?都合よく朝中庭なんて来る!?」
「俺が呼んだんです」
「え」
「ほんと、先輩独り相撲お疲れさまです」
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花見っ子(プロフ) - アップルキャンディさん» 最初から!?すごい嬉しいです!なら余計に更新ものすごく間が空いてしまってすいませんでした……このシリーズだけは絶対完結させます。お付き合い頂けたら幸いです。 (2020年11月30日 21時) (レス) id: f68b48dadb (このIDを非表示/違反報告)
アップルキャンディ(プロフ) - 初めまして!シリーズ最初から読んでます!久しぶりに占ツク開いたら更新通知が来てて、コメントしたくなるぐらい幸せでした…。色々と拗らせてる国見ちゃん、読んでて苦しくなるほど好きです。無理のない範囲で更新頑張って下さい。 (2020年11月29日 18時) (レス) id: addc80a2b2 (このIDを非表示/違反報告)
花見っ子(プロフ) - ゆったーさん» そう言ってもらえるてとても嬉しいです!安心して書ける……更新頑張ります、コメント感謝です。 (2020年11月29日 14時) (レス) id: f68b48dadb (このIDを非表示/違反報告)
花見っ子(プロフ) - 端広コウさん» 急な逃走及び告知のない復帰にも関わらず、このようなコメントを頂けてとても嬉しいです。正直ちょっと泣きそう……更新頑張りますので、お付き合い頂ければ幸いです。 (2020年11月29日 14時) (レス) id: f68b48dadb (このIDを非表示/違反報告)
ゆったー - 綺麗で読みやすい文章!内容がしっかりしてて違和感がなかったです!ちょっとだけ見るつもりだったけど、凄いドンピシャで全部読んじゃいました(笑)キャラの性格と口調も掴んでて変に思わなかったです!更新楽しみに待ってます!長文失礼致しました (2020年11月29日 0時) (レス) id: d351a6af56 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:花見っ子 | 作成日時:2019年8月11日 20時