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(……またここか)
着いてきてと言われて従った先は、昨日の朝も来た中庭だった。中庭側に面している窓もあるけど朝は人通りの少ない廊下なので人気がなく、相変わらず静か。
私を連れてきた人は、そんな中で満足そうに振り向いた。その表情には自信と……確実に私に対する見下しを載せている。
というより、私はこの人を知っている。
「……何の用ですか」
「ふーん?心当たりとかないの?」
「……いえ」
昨日ここで、国見に告白していた先輩。
心当たりといえばまずそれしか思いつかないけど、この先輩も私がいるのに気付いてた?いやでもそれは不可抗力であり、彼女に特別害を与えたわけじゃないし。
「まあ、まだ本題はいいわ。それより質問ね」
「……」
「貴方、国見君と知り合いよね?」
「……そりゃ同じ学年ですし、顔くらいは」
「そうじゃなくて。他にもあるよね?」
「……そんなの知ってどうするんですか」
「何?答えられないの?……じゃあ質問を変えるわ。貴方、国見君の好きな人って知ってる?」
思わず固まった。国見の好きな人?そんなの知るか、私が知りたいくらいだ。
でもなんだか先輩の態度的に、言いたいのはそこじゃなさそうな気がする。
というか、怖い。
「知りませんけど」
「へー?」
「……なんで私なんかに聞くんですか」
「それこそそんな事聞いちゃうわけ?わかってるくせに」
「わかりませんよ」
「……そういう態度ほんっとムカつく。私昨日国見君にフラれたのよ。『好きな人がいる』って言ってね……知ってるでしょ?」
「……っ」
あれ、なんで私が責められてるんだろ。
確かに盗み聞きしちゃった事には変わらないけど、だからなんで私にそれを聞くんだ?知ってるはずないだろう。文脈が読み取れない。
てかやっぱりこの先輩、私がいたのを知ってる。
「だから気になったのよね。国見君の好きな子ってどんな人だろうなあって。どうせ貴方なら知ってるでしょう?」
「だから、知りません。第一なんで私に……」
「うわ〜やだやだ、知らんぷり?よくないよそういうの。貴方なら知ってるに決まってるじゃない。だって貴方、」
あれ、なんだろ?嫌な予感。
というかこの流れ、知ってる気が
「国見君のストーカーじゃない」
急に目の前が真っ暗になった。
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雪猫(プロフ) - 花見っ子さん» いえいえ!大丈夫ですよ!続きも読ませてもらいました!国見ちゃん視点を読んでもっと面白いなって思いました!国見ちゃんがどう思ってたのかとか、あの誤解は結局どうなんだろうとか考えるのが楽しいです!続きも楽しみです!頑張ってください! (2019年8月19日 0時) (レス) id: 044c7ba7ac (このIDを非表示/違反報告)
花見っ子(プロフ) - しば子さん» 本当にコメント返すの遅くなってすいません……その上更新も酷く不定期で。その中で読んでいただけて嬉しいです。今後も少しずつ頑張りますので、よければまた見てくれたら嬉しいです。 (2019年8月11日 20時) (レス) id: e5466e3cbf (このIDを非表示/違反報告)
花見っ子(プロフ) - 雪猫さん» ずっとコメントお返しできてなくてすいませんでした。今更なんですが本当にコメント嬉しかったです。自分で書いててあれなんですが、わかりにくいところも多いと思います。そんな中読んでくださってありがとうございました。続編も書いたのでよければ…… (2019年8月11日 20時) (レス) id: e5466e3cbf (このIDを非表示/違反報告)
しば子 - 国見推しなんですけど、話の続きがすごい気になるし続きを読むたびドキドキします笑このお話大好きです!更新楽しみにしています、無理しない程度に頑張ってください!! (2019年7月28日 10時) (レス) id: 923e20aa2a (このIDを非表示/違反報告)
雪猫(プロフ) - こうゆう感じのお話好きです!更新頑張ってください!!最近国見ちゃんが自分の中では来てて、続きが楽しみです! (2019年6月29日 1時) (レス) id: 7dccd2123b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:花見っ子 | 作成日時:2019年3月30日 21時