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Aサイド
「はい、ここがEクラスです。長年使われなかったので、汚れてますが・・・。
まぁ、頑張って下さい、それでは。」
教室に案内してくれた人の態度が冷たかったのは、きっと私がEクラスだからだろう。
『うっっっわ・・・・』
汚い机、落書きだらけの壁や床・・・
流石"Eクラス"というところ。
・・・・・はぁ。
さっきのさとみ先輩の言葉を思い出してげんなり。
どうして私がĒクラスなのか。
・・才能がなくて、弱いからっていうのはわかってるんだけどね。
『ま、でもクラスメートもいないみたいだし、それはそれで満足・・・』
____ガラガラ、ガラッ
先程私が開けたばっかりの錆びたドア。
そこに、一人の男の子がたたずんでる。
薄茶色のサラサラの髪に、おどおどした感じの雰囲気。
かなり小柄。
「あの・・・ここって、Eクラスですか・・・?」
声もまだ声変わりしてないんじゃないのかな。
・・・って、冷静に分析している場合じゃない。
この子、もしかして私のクラスメートだったりする?
『えっと、ここは・・Eクラスであってますけど。
あなた、誰ですか?』
そう口に出したことを後悔した。
おそらく、今の私の顔はとても冷たい顔をしているんだろう。
「あっ・・・・ごめん、なさい・・・」
男の子がおびえた顔をして、一歩後ずさった。
・・・私はいつもこうだ。
周りの人間に、どうしても冷たい態度をとってしまう。
上の立場の人には、敬語とかを使いまくっていい子ぶる。
だから、中学の時も一人も友達ができなかった。
"最低で最弱"
これって最悪じゃん。
ああ、私の馬鹿・・・
『あの、ごめんね。
私、雨宮A。雨の力を使うらしい・・・って言われたんだけど、Eにいるって
ことは、ほとんど力が無いようなものなんだけど。』
できるだけ愛想よく言ったつもりなのに。
「いえっ・・そのっ・・・ぼ、僕はみ、美甘柊斗っていいます・・・
水の力を使うらしいです・・・」
おびえたまま自己紹介。
はぁ、なんで笑えないんだろうね、私。
中学生の時、やっとできた友達に
"ねぇ、なんで笑わないの?あたしのこと嫌いなの?”
って言われて、つい言い返しちゃったんだよね・・・
"だって面白くないのに、なんで笑わなきゃいけないの?"
あれから三年。
相変わらず私には、笑う意味が分からないでいる。
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作者名:点P撲滅隊リーダー兼隊長兼事の発端者 | 作者ホームページ:なし
作成日時:2022年8月12日 15時