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Aサイド
「それでは次の方ー、えー、雨宮Aさん来て下さーい」
事務の人が私を呼んでいる。
私・雨宮A。高校一年生・・・になったばかり。
今日はここ、すとろべりー学園の入学式。
すとろべりー学園、っていうのはね能力学校なわけ。
私達国民が、皆持って産まれる"才能の種"っていうのを開花させて、その時に与えられる
能力をより高める学校。
この学園は小学部からあって、小学部・中学部の人は種を大きくするための勉強をしてるから、
私みたいな編入組より優秀なの。
だって種の大きさで能力が決まるのに、私の種ってすっごい小さいんだもん。
小さすぎるから、両親が呆れちゃって小・中と能力学校に行かずに普通のところに
通ってたんだよねぇ・・・。
クラス分けされるって言ってたから、私は一番下のクラスかなー。
そんなことを考えながら、ホールに設けられた一つのブースに入る。
ブース内にいる強い力を持っている人に、種に力をぶつけてもらうと開花するらしい。
１５歳になったら開花する、っていうのは１５になるまでが一番種が成長するからなんだとさ。
私の種は全然成長しなかったけどね。
私に与えられる力はなんなんだろ。
簡単なのがいいな。
簡単、とかあるかは知らないけど。
「えーっと、雨宮Aさんですね？種をここにお願いします」
中には制服を着た男の人が一人椅子に座っている。
・・・・生徒がやるの？
え、種見せたくないんだけど。
てっきり先生かと思ってたのに。
でもこの役をするってことは、すごい力の持ち主なのかな？
そういえば学校案内のパンフレットに書いてあった気がする。
一番上のクラスには、生徒会メンバーしか入れてないすごい強いクラスだってことを。
もしかしてこのピンク髪の人、生徒会だったりして。
ゆっくりその人の前に行き、名札を盗み見る。
・・・やっぱりそうだった。
生徒会・副会長"桃原さとみ"って書いてあるわ。
やだなぁ、もう。
ポケットに入れていた種をその人にシュッと渡し、ギリッギリまで目をそらす。
さとみ先輩が「え。」と小さく息を呑む音が聞こえた。
小さくて悪かったな！！
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作者名：点Ｐ撲滅隊リーダー兼隊長兼事の発端者 | 作者ホームページ：なし
作成日時：2022年8月12日 15時
