黒王子な8人目！⑤(JW) (ページ10)

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藤井くんとダンスレッスンに一緒に行く約束をしたものの、また社長の気まぐれで、レッスンは減らされ、その約束は果たせずにいました。

海外公演に向かう飛行機の中、彼の視線の先にはみんなで撮った写真。

「ピアノが出来て嬉しい半分、みんなと会えないので寂しい半分」。

まだまだ幼い彼の心は複雑な気持ちでいっぱいでした。

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もう迷うことなく事務所に行けるようになったAくん。

学校帰りに忘れ物を取りにレッスン室を訪れました。

ダダダダダダ！！！！！！

なんだか後ろから凄まじい音が聞こえます。

よーく見ると誰かがこっちに向かって走って…来る…?

？「ちょっと待ったーーー！！！」

『……？？？』

キキーッと急ブレーキをかけたようにAくんの前に止まったのは、「寝不足のパイナップル」こと重岡さんち家の大毅くんです。今日も絶好調です。

？「A！！！やっと見つけた！！！！」

『……。』

ゼーハー言う彼をナチュラルに見下ろすAくんは反抗期真っ只中です。基本的な返事は「は？」です。

？「俺と友達になってくれへん？！？」

『……は？』

ほらね。

？「だーかーらー友達になってーって！！」

『いや、誰…』

ここだけの話、すっかり先輩になったAくんはピアニストとしては既に有名人でしたが、ダンスの才能も認められつつありました。

こうして付いたあだ名が、

「ただの天才」
「京都の伝説(怪物)」
「天から何物与えられてんだよお前」

このようにAくんに憧れる者もいれば、羨み妬む者、多種多様でした。

なので、こうして気軽に声を掛ける人は勇者か、怖いもの知らずか……。

？「えぇ！？覚えてへんの！？シゲ！重岡大毅！雑誌の撮影で一緒やったやんか！ひどいわぁ！！A！！」

たぶんきっと恐らくメイビー。
重岡くんは怖いもの知らずの勇者です。

見てください、Aくんの表情。

完全に重岡くんのペースに巻き込まれていますね(笑)

重「なぁ、連絡先教えてや！！」

『えぇ…』

重「流星には教えたんやろ！なんなん！？贔屓するん！？Aってそんなヤツなん！？」

『…………。』

Aくんが年上で3年先輩ってことは知ってか知らぬか、どっちにしろこの対応となると、重岡くんからは大物の匂いがしますね…。