【wrwrd!】ねぇ、かまってぇや【zm】

かまって 3 ページ5

zm side




あのあと、親戚が帰ったから女の子を家の中へ入れて、自己紹介をする事にした。

「えーっと、俺は望。緑川望っていうんや！希望の望な。」

『......A、です。篠原A...』

「Aな！えーっと、11歳やったよな。俺のは...言わんくてもええか。えっと...」


無口な子なのか、会話が繋がらない。
でも、少し長めの前髪から覗く深緑の目は優しげな眼差しやった。

にしても、肌真っ白やなぁ。焼けにくいのか、あまり外に出ないのか。
髪の毛もサラサラしとるわぁ。綺麗な茶髪をサイドで縛ってる。おろした時も可愛いんやろなぁ...


『...あの、なんか付いてます...？』

「えっ、ああ、すまんな、そういうわけやなくて...」


思ったよりAの事を凝視していたらしい。
しまった。余計に怖がられたんとちゃうか...！？


「えっと、Aは何処に住んでたん？」

『...関東です。千葉と茨城の境目辺りに住んでました。』

「え、関東！？」


少ししゃべり方に違和感があった原因はそれか。
でも関東にいたならば関東に近い場所に住んどる人んとこいったら良かったんじゃ...

そこまで思った所で、そういや全員ダメやったから俺んとこ来たんやった、と結論に至る。


「じゃあ、来るの大変やったろ？偉いなぁ、まだ小さいのに」


つい、慣れというか、流れというか、そんなものでAの頭を撫でてしまった。


『......』

「あっ、すまん！いきなりごめんな、つい...」


黙り込んでしまったAに、しまったと思いながら謝る。
それでも反応がなかった為、Aの顔を覗く。


「A〜？」

『っ！！』


驚いたのか、Aはバッと顔を上げる。

その顔は、頬がほんのり赤くなっとった。
もしかして＿＿


「A、撫でられるの好きなんか？」

『えっ、あ、そのｯ、はい...』


恥ずかしそうに、下を向きながら返事をするA。

やっぱかわええなぁ。


***

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