5 大先生とデートPart1 ページ8
憂鬱だ。とても憂鬱だ。
何が悲しくてあの無能女好き野郎とデートしなければいけないのか。
「はぁ〜…」
本日何回目かわからない溜息をこぼす。
幸せがどんどん逃げてくわこれ。
流石に仕事着の軍服で出かける訳には行かないので私服に袖を通す。
パステルブルーのワンピースに、緩く巻いた髪。
あと普段全くしない化粧。
ちらりと時計を見やると、待ち合わせ20分前。
「しゃーねーなー！！」
半ば自暴自棄になりながら、思い腰をあげた。
＿＿＿＿＿＿＿＿
待ち合わせ場所につくと普段のスーツでは無く私服の大先生。
何気センスいいのが腹立つな。
「Aちゃーーーん！！！めっちゃ可愛いからすぐ分かったでー！」
「やめろ抱きつくなそしてお尻を揉むな！」
何この人セクハラじゃないですかやだー！！
「よし、ちょっと早いけど行こっか」
そう言って手を握られ、歩き出す。
「え、どこ行くんですか。」
「ん〜、ナイショ♡」
と唇に人差し指を当てられる。
うわいま鳥肌たった飛べそう。
さっきから思ってたけどさりげなく車道側歩いてるし歩幅も合わせてくれている。
なるほど、世の女性はこれに騙されるのか。黙ってたらイケメンだし。
ふむふむと大先生の横顔を見上げていると
「なーにAちゃん、惚れちゃった？」
と大先生。
「ロボロさんの身長が190cmになったらありえるかもしれませんね。」
「遠回しに否定された！？それ絶対ありえへんから！」
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作者名：十夜 | 作成日時：2017年10月23日 16時
