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軍曹のキス事件から数時間後、私は遅めの朝食をとっていた。
のはいいのだが＿＿＿
「何で貴方がここにいるんですかねぇ！？ゾムさん！」
「夫婦揃って食事をとるのは当たり前やろ何言うとんねん」
「いや貴方が何言ってるんですか大丈夫ですか？」
「旦那の体調の心配してくれるAはやっぱり俺の自慢の嫁やな」
ダメだ話が通じねえ。
この組織では、階級ごとに食事場所が分けられている。
よって、本来ここには準幹部しかいない筈なのだが、何故か味方最大の脅威はここにいた。
何してんの。
しかもあろう事か彼は、他の準幹部の皿にありえない量の食事を盛っている。
ほら見ろ！あの人達めっちゃ青ざめとるやんけ！
「あ、あの……お言葉ですが…流石にこの量は…」
おずおずとゾムさんに向かって意見を述べる1人の男。
確かコネシマさんとこの隊の人だったかな。
「何や俺がよそってやった飯が食えん言うんか」
「ﾋｯ！も、申し訳ございません！！！！！有難く頂戴致します！」
あー更に怯えちゃったよ！でも君は良くやった！
ゾムさんはパワハラだよ！
一人心の中で彼に同情しているとじっとこちらを見つめるゾムさん。
何か嫌な予感しかしないのでそっと目を逸らしておく。
「なぁ、「嫌です無理です」まだ何も言うとらんやんけ」
彼のお願いは大体キツい。手ブラしてとか手ブラしてとか手ブラしてとか。
「Aにあーんして欲しいんやけど」
「無理です！」
「上司命令やで。ほらはよ。」
くそ…！職権乱用だぞ！もうやだこの職場…
ひとり項垂れてる間にも早くしろと急かすゾムさんの声。
ええいもうどうにでもなれ！
フォークに勢いよくブロッコリーを突き刺し、彼の口元に運ぶ。
ごめんねブロッコリー君に罪はない。
「ん、うまいな。」
それを口に運び満足気に咀嚼するゾムさん。
味変わらないと思うんですけどそれは。
「んじゃ、次これな」
「まだ続くんですかこれ！？」
「俺が食い終わるまでな。」
朝から同僚の前で何で公開処刑されてるんだろう…。
その日の朝食は無駄に長く感じた。
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作者名：十夜 | 作成日時：2017年10月23日 16時
