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思い出した人生初告白の、絵に描いたような緊張具合と、穴があったら埋まりたいレベルの台詞に、嘲笑にも似た笑みが零れる。
ああ、あれは傑作やったわ。流石に本の読みすぎや。今時どんな純愛小説でだって出てこん。
……それでも、今では良い思い出なんよなぁ。
それに、よくよく考えれば、今では毎日のように甘ったるい言葉を、なんの恥ずかしげもなく言っているのだ。……いやあれとは “恥ずかしい” のベクトルが違うか。
「今日はもう無理やろうなぁ……」
毎年この日にプレゼントを渡すのが恒例となっていたのだが、もう眠ってしまっているのだから渡し用がない。……まあ正確に言うなら、既に日付が変わっていて、当日ではないのだが。
明日も予定ややるべき事が多く、帰りが遅れるだろうし、さてどうやって渡そうか。
室内の机上に乱雑に置かれた鞄から覗く、茶色のラッピングがされた箱を振り返り見る
_______そのとき、
「お帰りなさい、えみさん……」
いつもより少し高い体温が、後ろからぎゅっと抱きついてきて、呂律の怪しい声が柔らかくかけられる。
声の正体を視界に捉えるより先に、条件反射に半分までその長さを減らした煙草を消す。
くるっと向き直り彼女の方を向けば、ふんわり微笑んでもう一度お帰りなさい、と言うので、ただいま、と返す。
「お迎えできひんやった……堪忍なぁ。ちょっとだけって思うて横なったら、眠くなってしもて…………やっぱ、エミさんの匂い、安心するからなんかなぁ？」
最後のひとことは独り言だったのだろうか、聞こえていないと彼女は思っているらしいが、この距離なのだ。私にとっては嬉しいことにばっちり聴こえている。
……うん、可愛い。もうなんでも許せるくらいには。いや、別に元々怒ってはなかったのだが。
「いいえ、大丈夫ですよ。帰りが遅くなったのは事実ですし、無理して起きていて体調を崩されては、私が悲しいです」
「エミさんほんまに優しいなぁ。んふふ、自慢の恋人さんやわぁ。……もちろん、全部大好きやし、全部自慢なんですけどね」
それは完全に俺の台詞やって……
ああああ可愛い、ほんまに好き。よくこんな可愛らしくて優しくて美人な、最高の自慢の恋人ができたもんや。高校時代の自分に感謝せな。
柔らかくて小さな温もりと、くらりと魅惑的な甘い香りを腕に閉じ込めて、しばらくの間幸せを噛み締めていた。
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背教者Ζ(プロフ) - まつりさん» お粗末さまでした！ 完全自分得のほのぼのなので、そう言って頂けて嬉しいです。更新速度は遅いですが、またいつでもお立ち寄りください！ (2020年4月5日 19時) (
レス) id: 03d3cf7e0f (このIDを非表示/違反報告)
まつり - 萌え禿げます…(真顔)おふたりがお似合いすぎて可愛らしすぎて、胸が抉れるくらい悶えました！ほんとにごちそうさまです！！これからも頑張って下さい。よろしければ、また立ち寄らせて欲しいです。 (2020年4月5日 18時) (レス) id: 9861bf3927 (このIDを非表示/違反報告)
背教者Ζ(プロフ) - めーぷる 楓の木さん» レスさえ大遅刻で申し訳ありません！ 明けましておめでとうございます(今更感) 更新は停滞しますが、ちまちま頑張ります。応援ありがとうございます！ (2020年3月7日 20時) (レス) id: 03d3cf7e0f (このIDを非表示/違反報告)
めーぷる 楓の木(プロフ) - 明けましておめでとうございます！！これからも頑張ってください！ (2020年1月3日 20時) (レス) id: 7a08099120 (このIDを非表示/違反報告)
背教者Ζ(プロフ) - きのこ(em推し)さん» コメントありがとうございます！ そう言ってくださるあなたが好きです((は) この作品は自分自身も好きですし、まだまだやる気もありますので、頑張らせて頂きます！！ (2019年12月23日 15時) (レス) id: 03d3cf7e0f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：背教者Ζ | 作成日時：2019年6月29日 16時
