不味い私を食べて下さい。【鬼滅の刃】

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「いやぁぁあぁあ！！！」

___ｻﾞｼｭｯｷﾞｭﾁｭｯｯ



目の前には異常な目をして人間を食らう鬼の姿、

村が血の海へと変わる。



奇声ととれる声を上げながら次々に人間を切り裂いていく、

血走ったギラリと光る目が私を捉えた。




あー…私はここで死ぬんだ。

一瞬にして死を悟る。


15年、短い人生だった。





私には家族がいない、何故いないのかは分からない。


私を育ててくれたのはこの村の長老で、私が5歳の時に殺された、

腹にポッカリと穴が空いた状態、まるで何者かの腕が腹を貫いたかのように。


側には私しかおらず、私が鬼になって殺したのだと思った。

しかし私は鬼になっていない。



それからというもの、私は化け物、怪物と言われ続けた。


不思議と憎い、悲しい、辛い、などという感情は浮かんでこなかった、

ただ、村人が私を罵るたびに見える人間の醜さを哀れだと思った。



___なんて、過去の事を思い出してるうちに鬼がすぐ側に迫ってきている。


まぁ生きていて何が変わるわけでもないし、
いつ死んでも同じだ。

鬼から食われて死ぬ…私にピッタリな最後じゃないだろうか______









「ウ"ガｯ！！コイツなんて不味そうな匂いしてやがんだ…食欲が失せちまうぜﾁｯ」



は？





鬼は私に唾を吐きつけ、背を向けて去っていった。







あぁ、私は鬼にも嫌われるのか。




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