6、ねえ聞いてさっき有名人にあったの ページ6
「ねえ聞いてよ風子ちゃん。さっきそこで、王帝月ノ宮の、野坂さんと西蔭さんに会った。」
試合は永世の勝利に終わり、スタジアムの外でマネジャーの、風子ちゃんと落ち合った。会って開口一番、私はさっき起こったびっくりエピソードを伝える。小学生の時からの付き合いである風子ちゃんは、マジかよ、と予想通りのリアクション。満足だ。
「え、え、どういうこと？野坂さんって、あの、戦術の皇帝？女の子に超絶人気の？」
「それしかいないでしょ。ていうか女の子に超絶人気なんだ。」
うらやましい。そういえばすごい顔整っていたな。
モテるためにちゃらちゃらサッカーをやっているわけではないが、人気なんてあればあるほど良いでしょう。試合に出ない私のサポーターはたかが知れている……っていうか、いないんじゃないか？せいぜい、纏向中学校の熱心なファンに、顔と名前だけ知られているといったところか。自分よりも、目の前にいるこの風子ちゃんの方が、カードが市場に出回っているというのは想像に難くない。敏腕マネジャーだからね。
「Aちゃんすげーな、ハートが。どうやって声かけた？」
「え、私声かけてないよ。」
そう言うと、風子ちゃんは目をひんむいた。
「は、じゃあ野坂さんに声かけられたの？なんで？野坂さんに声かけられることなんて、普通の女子にはないよ。」
「それはやっぱり私の隠れた魅力に野坂さんが気がついたと言うことでは？」
「調子のんな。でもやばいよ、野坂ファンに見られていたらやられるよ。夜道には気をつけてね。」
そんなにやばいのかよ。怖いよ、野坂さんのサポーター。
「でもなんかね、野坂さんよくわからなかった。急に、試合どうだったー？って、言ってきて。」
「謎いね。わざわざこんな眉毛の太い女に聞かなくても。」
「そんなに太くねえよ。」
「西蔭さんもいたんでしょ、なんか喋った？」
「あー、喋ってない。ずっと野坂さんの後ろで無言で立ってた。ガーディアンって感じ。」
「野坂さんが声かけてきたのきっと、うちの制服がど派手だからだよ。」
「脈絡ねえな。」
さっきからずっと、私が声をかけられた理由を考えていたらしい。どんだけ私の眉毛に納得いかないんだと反発すると同時に、考え事しながら喋れることに驚く。さすが敏腕マネジャー。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 50人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
マトリックス(プロフ) - 飴子さん» コメントありがとうございます！二人の中学生感、私も気に入ってるのでめちゃめちゃ嬉しいです。 (2018年9月16日 18時) (
レス) id: 5cf0ad2a55 (このIDを非表示/違反報告)
飴子(プロフ) - 初めまして、コメント失礼します。テンポの良さと夢主ちゃんのキャラが痛快で、サクサク読んでしまいました。とても面白かったです！個人的に夢主ちゃんと風子ちゃんの中学生らしい会話が好きです。続きを楽しみにお待ちしてます。 (2018年9月15日 23時) (レス) id: e8d9f617ef (このIDを非表示/違反報告)
速水ヒロcv前野智昭love♪(プロフ) - マトリックスさん» カッコいいですよ！！続き気になります。 (2018年8月30日 15時) (レス) id: 5e287a4c41 (このIDを非表示/違反報告)
マトリックス(プロフ) - 速水ヒロcv前野智昭love♪さん» コメントありがとうございます、そう言っていただけると嬉しいです！声優さんあまり詳しくないので、調べてみます〜 (2018年8月30日 12時) (レス) id: 5cf0ad2a55 (このIDを非表示/違反報告)
速水ヒロcv前野智昭love♪(プロフ) - 初めましてコメント失礼します。続き気になります。めっちゃ面白かったです。西蔭君の中の人もかっこいいですよね？更新頑張ってください (2018年8月29日 21時) (レス) id: 5e287a4c41 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：マトリックス | 作成日時：2018年8月21日 11時
