継いだ力は ページ20
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"クソ、攻撃しても呪霊で対応してくる…”
一体の呪霊に一人の青年が向き合っている。
「やっぱりお父さんの術式はすごい強いんだね。」
冬に入った昼下がり。東京の廃墟と化したビル。私の声は響かない。
あんなに小さかったはずの息子はいつの間にかもう15歳で立派に成長した青年になっていた。
今度の春に高専に入学する予定で、それまでの間は
力はあっても使い方を覚えなくては、自分の未来が守れないから。
特級術師と特級術師との子供だ。
当然生まれる前から注目されていた。
術式は二人のものを受け継いだようで、父親からは呪霊操術、私からは反転術式の力を継いだ。
青年となった今は、呪霊操術を持つ影響で低級任務が山ほど割り当てられ、反転術式を必要とされれば硝子さんと共にサポートに駆り出されることも多い。
大いに期待されている存在だ。
特に異例の力としては、この子の持つ反転術式。
自分の他にも他人に治癒が使える。
ここまでは元来ある力にすぎないが、この子のパターンは”呪いや縛りの解呪”をも可能にすることだった。
今まで確認されたことのない異例な術式。
呪術界全体を通してこの術式が有益な力なのか、はたまた「諸刃の剣」なのかいまだに保留案件となっている。
最悪な状況としては呪いで縛って管理している呪物や、処刑町の呪詛師がこの子の手で簡単に開放することができるようになってしまうこと。
つまり、この子が離反したとしたら呪霊・呪詛師側が圧倒的に有利になってしまうから。
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moo(プロフ) - 何度も声が届けばいいのに、と思いながら読みました。長い長いお別れの話で悲しかったですが、面白かったです! (8月5日 19時) (レス) @page31 id: e3fdbdb203 (このIDを非表示/違反報告)
せんべえ(プロフ) - 泣きました、、、本当に。でもなんだか暖かくて幸せな小説でした!ありがとうございました!!! (2023年5月6日 22時) (レス) @page31 id: f5f8406621 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:kai | 作成日時:2023年1月13日 2時