海外の ページ16
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「あなたが夏油さんのお嫁さんですか?」
よろしくの挨拶よりも名乗るよりも前に、そんな質問をしてきた乙骨くんに驚いたのはよく覚えている。
特級昇格任務の際にペアを組むことになった乙骨くんは、私よりも全然若いのになんだかすごい苦労してきたような趣きで、自己紹介は思ったよりも緊張してしまった。
聞かれた質問にそうだと返したらやっぱり似てると言われて、以前彼にあったことがあると話をしてくれた。
任務旅行中も傑さんの話で盛り上がることが多く彼も愛されているのだとわかると、任務に行く前に喧嘩をしてしまったことを少しだけ後悔した。
「傑さんのバカ。」
最後に彼にあったのは任務に行く2日前。
海外任務を前もって知らせていなかった私を責める彼に、不安な気持ちが大きい自分の心が耐えきれずに放った言葉。
こんなのじゃなくて、本当は行ってきますと言うつもりだったのに。
乙骨くんにそんな喧嘩話を打ち明けたら、仲直りすればいいんですよと真面目に返ってきた。
ただいまって言えばおかえりと返ってきますよ、とアドバイス付き。
「行ってきますはいえなかったけど、ただいまを言えて良かったよ。」
たまたま高専に来ていたみたい。
卒業してからは完全に黒い服を着るようになった乙骨くんにありがとうと感謝してみた。
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moo(プロフ) - 何度も声が届けばいいのに、と思いながら読みました。長い長いお別れの話で悲しかったですが、面白かったです! (8月5日 19時) (レス) @page31 id: e3fdbdb203 (このIDを非表示/違反報告)
せんべえ(プロフ) - 泣きました、、、本当に。でもなんだか暖かくて幸せな小説でした!ありがとうございました!!! (2023年5月6日 22時) (レス) @page31 id: f5f8406621 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:kai | 作成日時:2023年1月13日 2時