人は、嫌いだ…でも貴方は…――【風間蒼也】 ３

Episode 102 ページ31

風間Side




風間『A。お前は……


俺がお前の命を受け継ぐことを…望んでくれるか……？』


心の中で微笑むAに問いかける


もちろん、返事など帰ってこない


そんなのはわかっている。


それでも…明るくなった空を仰ぎ見て問いかけた


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もしAと今会話ができたならば…


きっとあいつは俺にこう言ってくれるだろう




――どうか、私の命を受け継いでください――と。



自分の中でそう解釈した。


そして、握りしめた指輪を…Aと同じ、右手の小指にはめた。


サイズは…俺にぴったりと合っていた。



風間『トリガー・起動』



そう呟くのと同時に


指輪から放たれた眩しい光に包まれる


戦闘体に代わるのは一瞬のはずなのに


やけに長く感じたその時間。


その間に、俺のベイルアウト直前にAが見せた…


俺が待ち望んだ、“本当の”笑顔が脳裏に蘇った


何とかして取り戻させてやりたかった…あいつの、本当の笑み


最後に見せてくれたこと、本当に嬉しかった。


そして、気が付けば……俺の体は、戦闘体へと切り替わっていた


この戦闘体こそが、彼女が俺を選んだ何よりの証拠だ。


やはり…俺が受け継いで、いいんだな。…A……


・




風間『A。お前の命、想い……俺が、受け継がせてもらうぞ』




きっとあいつが見てくれているであろう、澄んだ青空を見上げる


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《…ありがとう……》


戦闘体に身を包んだ俺の耳に


柔らかな声が聞こえたような気がした。――――――




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―――――――――――END.――――――――――

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