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『みんな、今日はありがとう。迷惑掛けて、ごめんなさい。』
泰「別に、お前の為じゃねえよ。」
轟「ただ鬼邪高がやられたことの仕返しに来ただけだ。気にすんな。」
みんなと別れて楓士雄達を帰っている途中、本当に有剣を凛のところに向かわせて良かったのか、そんなことばかりを考えてしまう。
もし、このまま有剣が戻ってこなかったら、行かせたことを後悔してしまうような気がして。
司「行かせなきゃよかったって思ってんだろ。」
『そ、そんなんじゃ…。』
ジ「いやー、まじでAさん最高過ぎです!」
楓「そりゃあ俺の妹だからな!」
司「お前は関係ねえだろ、ばか。」
楓「は!?なんでだよ!けどまあ、心配する必要ないっぽいぜ?」
司「ああ、…みたいだな。」
『え?』
並んで歩いていた楓士雄達の足が止まり、どうしたのかと思ってみんなの顔を見ると、全員が同じ方向を見て立ち止まっている。私も同じ方を向くと、そこにはこちらに向かって走ってくる有剣の姿が見えた。ちゃんと戻ってきてくれたんだ。それがすごく嬉しくて、安心して、私も有剣に向かって駆け出した。
『有剣っ、!』
有「お待たせ、A。」
ジ「うー…、良かったっすね、Aさんっ!」
楓「ばか、何お前が泣いてんだよ!んじゃまあ、邪魔者は退散しますか。」
有「あ、金髪くーん。お前、案外良い奴なんだなあ。…さんきゅー。」
司「…別に。俺はAの為にやっただけだ。お前に良い奴だなんて言われる筋合いねえよ。」
有「ふ、素直じゃないね〜。」
司「うるせえ。…もう二度と傷付けんじゃねえぞ。」
『何の話?』
司「なんでもねえよ。じゃあな。」
もう一度、ありがとうと伝えると、こちらに背を向けたまま手だけで返事をしてくれたみんなの後姿を見送ってから、改めて有剣の方に向き直って、そのまま広い胸に抱き着いた。
学ランを私が借りていることもあって、白いシャツだけだといつもよりも近くに有剣の体温を感じる。少し汗ばんだシャツからは、ここまでどれだけ急いできてくれたのかが伝わってくる。
『戻ってこなかったら、どうしようかと思った。』
有「えー、戻ってこないと思ってたの?」
『ちょっと、だけ。』
有「そんなわけねえのにー。ばかだなあAは。」
『もー、うるさい。…おかえり、有剣。』
有剣からの"ただいま"を聞いたあと、私達は場所も構わず、どちらからともなくキスをした。
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mikitty(プロフ) - おかえりなさい!! (2020年8月12日 16時) (レス) id: 05ebd46207 (このIDを非表示/違反報告)
no name - このお話が大好きです。 作者さんのペースで更新頑張ってください! 私も気長に待っています笑 (2019年12月4日 20時) (レス) id: ca56f914e8 (このIDを非表示/違反報告)
苺華 - お話とても好きで、毎回ドキドキさせられてます。笑 ゆっくり更新頑張ってくださいね。 (2019年11月29日 0時) (レス) id: 1128e57cc5 (このIDを非表示/違反報告)
山彰大好き - 早く更新(出来れば)してほしいです! (2019年11月27日 1時) (レス) id: a817dc2fec (このIDを非表示/違反報告)
aloa(プロフ) - 瑠菜さん» 瑠菜さん、コメントありがとうございます!そう言っていただけて、とても嬉しいです♪これからもお楽しみいただけるよう更新頑張りますので、引き続き宜しくお願い致します! (2019年11月17日 16時) (レス) id: eb2fd422b8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:aloa | 作成日時:2019年11月11日 14時