THE WORST 《Another Story》① (ページ32)

今日:10 hit、昨日:8 hit、合計:95,050 hit

続き① ページ32

.

『洋介。ねぇ、聞いてる？』

辻「やめとけ。無駄だ」

『もぉー！サンドバッグじゃなくて私の相手して』

急にサンドバッグに拳を撃つ俺の背中に抱きつくもんだから、思わず手を止めてしまった。

芝ﾏﾝ「お前らいつの間にそんなに仲良くなったんだ？」

辻「まさか、付き合ってないよな...？」

俺に抱きついて泣いていたあの日からAは“抱き心地が好き”と言って離れない。

激しいスキンシップとギャップで、正直女に慣れていない俺はこいつを好きになってしまった。

もちろん好きになった理由はそれだけじゃないけど。

轟「...付き合ってない。そもそも女として興味ない。」

芝ﾏﾝ「とか言いつつ膝の上に乗せて本読んでるって矛盾しすぎだろ。」

辻「あいつらはもちろん、最近全日でのAの人気半端ねぇ。
気を付けろよ？嫉妬したやつが襲って来るかも」

轟「興味ないって言ってるだろ。」

『私は洋介めっちゃ好き。
ここだけの話、筋肉と眼鏡フェチやねん私。
もちろん面食いも変わらない←』

轟「好き...」

辻「“好き”だってよ」

轟「俺だって興味がないだけで嫌いなわけじゃない。」

『こーゆーツンデレ？クーデレ？わからんけど、広にぃに似てて好き。』

芝ﾏﾝ「兄弟いたっけ」

『雨宮兄弟に拾われて雨宮兄妹に...』

辻「じゃあ兄貴はあの雨宮兄弟！？」

『詳しいことはいずれ。
ってか、どうすんのさ洋介。』

何か言っているが膝の上で俺の頬を引っ張るAが可愛すぎて頭に入ってこない。

『ねぇ、聞いてる？』

轟「.....。」

芝ﾏﾝ「全然聞こえてない...重症だな。」

.

.

鼻歌を歌ってスキップしながら向かってくるA。

『あれ？もしかして司！？』

司「久しぶりだな。」

“んー、かっこよくなったね！”なんて言いながら抱きついてくる。

相変わらず可愛いやつ。

司「全然会いに来てくれねぇから俺が会いに来ちまった。」

『んふ(笑やっぱり可愛い』

司「もう可愛いはやめろって。
Aは相変わらず男みてぇだな」

『あっそ！私は男みたいだし可愛くないよバーカ』

すぐに拗ねて本人は無意識だろうけど口を突き出してるところも可愛い。

司「嘘、Aは昔から可愛いよ」

『や、やめてよ///』

司「照れてる可愛い」

抱きしめて頭を撫でてやると腕を回してくる。

俺は、Aが好きだ。

.