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「…いつの間にか、ミナが居なくなって…そんな気はしました。起きた時、いつもより頭が軽くて。すっきりしていて…なんとなくわかりました。ミナが居なくなったんだなって」
「だろうな、スッキリした顔してる」
てし、と柔らかく頭を撫でられた。愛がある感じ。嬉しくはある。
スッキリしたし、ミナの記憶も──無くなったわけではないが、薄れている。きっとこのまま、思い出そうとしなければ忘れていくのだろう。
なんとなく、雰囲気でミナがなにかをしでかしてしまったことは分かる。悪いことをしたのかもしれない。
それは──私の責任だ。自分の気持ちで、ミナを抑えられなかった、私の責任だ。
そう、本人に伝える前に。
…私が知らない間に、ミナは消えてしまった。
黒トリガーも外れてしまっていた。
私の、『足枷』になってくれていたものが。
「それについてはまた今後も少し検査を重ねるからしばらく入院だな〜」
空になったらしいぼんち揚の袋を軽く纏めて、ゴミ箱に放る迅さん。丸椅子に座ったまま体を前かがみにして、それから顔を上げて笑う。
「──なぁAちゃん、暫く戦うのやめにしないか」
「…え」
自分の耳を、疑った。
「…で、でも！でも私、ボーダーにいて戦わなかったら意味が」
「安心しろって、戦闘員辞めろとは言ってないよ」
「あう…」
辞めろとは言ってなくても、それって、「戦うな」ってことで、つまり「戦力外通告」で、つまり。私はもう、ボーダーにとって「いらない子」なんじゃ……
少し俯いて、唇を噛む。──悔しい。自分のせいだ。自業自得だ。自分で自分を、抑えられなかったから。
「また親御さんと連絡付かなかったって」
「………」
どんどん、気分が沈んでいく。この人は私を追い詰めたいのだろうか。
私から全部を取上げて、「もうここにお前の場所はないんだよ」と、言外にそう伝えているのだろうか。
迅さんのことだから、まずそれは、無いと思う。
けど、それは、あまりにも、無神経なのではないだろうか。
「こ〜んなかわいい一人娘放っておくだなんて、酷いよな〜。まぁ家庭それぞれ事情があるのもわかるけどさ」
「い、いいんです、あの人のことは」
蛇に睨まれているような気分になった。この人のことが恐ろしくなった。今すぐにでも逃げ出したくなった。嫌だ、ここに居たくない、家に帰りたい、誰も、「誰もいない家」に──
「Aちゃん、うちにおいで」
「え」
自分の耳を疑うのは、2度目だった。
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松太(プロフ) - 蓮華さん» こんにちは。5年間もお待たせしてしまい申し訳ないです…。少しずつですが書いていくつもりなので何卒よろしくお願いします。 (2020年10月3日 12時) (
レス) id: ab0aa636e4 (このIDを非表示/違反報告)
蓮華(プロフ) - こんにちは更新が止まってから五年間更新再開されるのをずっと待っていました大好きな小説の続きを読むことができてとても嬉しいですこれからも更新楽しみ待ってます (2020年10月2日 23時) (レス) id: cec7260ef3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：松太 | 作者ホームページ：
作成日時：2020年10月2日 16時
