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ニノマエは笑っていた。頬を緩めて、泣きそうな瞳を少し細めた。
「──すまなかったね」
三輪は頭を抱え、俯いている。
答えはない。沈黙。静寂が耳に痛かった。
「君のことも、Aのことも傷付けた。エネドラが死んだ。私はもうここにいる意味が無い。これが最後だ」
黒髪が揺れる。濡羽色の美しい髪。これはAのもので、ニノマエの髪は元々は雪のような白銀だった。
三輪の肩に、柔い指先が触れる。ニノマエの指はもっと長くて節くれだった、男の指だった。
Aの腕は、ニノマエより1本足りない。
「Aのこと、頼んだよ」
「──ッ待て！お前にはまだ聞かなきゃならないことがある！！」
三輪は弾かれたように顔を上げる。
そんな言葉をAの声で聞きたくはなかった。まるで、そんなの──今生の別れのような言葉じゃないか！
「何故お前はッ…」
「秀次」
小さな掌が三輪の肩を掴む。そのまま引き寄せ、三輪は片腕をベッドにつく。
ぎしり、とパイプが軋む音がした。
──唇同士が触れ合う。交わした熱は、どこかお互い待ちわびていたような気がした。
暖かい液体がお互いの頬の隙間をなぞった。これが涙であることを、三輪はなぜか理解出来ていた。
「…さよなら、秀次。愛していたよ」
その言葉を最後に、Aの体は弛緩する。
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松太(プロフ) - 蓮華さん» こんにちは。5年間もお待たせしてしまい申し訳ないです…。少しずつですが書いていくつもりなので何卒よろしくお願いします。 (2020年10月3日 12時) (
レス) id: ab0aa636e4 (このIDを非表示/違反報告)
蓮華(プロフ) - こんにちは更新が止まってから五年間更新再開されるのをずっと待っていました大好きな小説の続きを読むことができてとても嬉しいですこれからも更新楽しみ待ってます (2020年10月2日 23時) (レス) id: cec7260ef3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：松太 | 作者ホームページ：
作成日時：2020年10月2日 16時
