6 だめー！ ページ7
…………ん！？シャワー！？って事は…
「ふぃぃー」
ガチャッ、と音がして思わず振り返ると
「………んにゃぁあっ」
「ん！？なに？」
出てきたモトキくんはパンツのみ。
…刺激が強すぎるっ…！！
(やめてー！服着てー！)
慌てて見えないようにソファの影に隠れた。
「Aー？どうしたの？」
ひょいっと持ち上げられ目が合うと水に濡れた髪が、いつもと違うモトキくんみたいになっていて、ますますドキドキしてしまう。
「A？……あ、もしかして恥ずかしい？
猫だけど女の子だもんねー」
ごめんねって笑いながら私を下ろし、服を取りに行くモトキくん。
(あぁーびっくりしたぁ…、男の人の裸なんて見慣れてないのにっ…)
再びふわりと身体が浮いたかと思えばモトキくんの腕の中。
「お前人間みたいだね、俺の言ってることちゃんと理解してるし、恥ずかしがったりもするし」
「にゃぉー」
(そうだよ、貴方のファンだった元人間ですよ)
「にゃぉー、にゃんにゃむにゃん…」
「っはは、めっちゃ喋ってる」
頑張って伝えようとするけど、猫語だからやっぱり通じない。
仕方ないけれど、寂しいような、でも猫だからこそ近くにいられるという特権もあるし。
二兎を追うものは一兎も得ず、だ。
「さて、寝よっかぁ」
「にゃー」
モトキくんは布団に入ると少しだけ布団を開けて
「おいで」
と呼んでくれた。
「にゃぅ」
「ん、おやすみ」
お互いの体温を感じ合いながら、眠りについた。
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作者名：成海 | 作成日時：2024年2月21日 14時
