17 夢 ページ18
Side mtk
(あれ？視点が低い…)
目が覚めると、視点がすごく低くなっていた。
身長が縮んだどころじゃない。
なんだ？これ…
「モトキ」
呼ばれて顔を上げると、そこには見たことの無い女性が。
「どうしたの？」
ひょいっと身体が浮いた。
それでふと見えたのはもふもふの手。
(あれ…！？猫になってる…！？)
驚いているうちに、女性にしっかりと抱かれ移動される。
……あれ…？
このぬくもり、この匂い。
(そうだ…Aだ…、この人、Aだ…)
確信も証拠もない。
けど、自分の中の何かが言っている。
この人はA。
「モトキ、大好きだよ」
(A、俺も…………ーーーーー)
「………、夢…」
目が覚めるといつもの部屋。
いつもの天井。
枕元には丸まって眠る猫の姿のAがいた。
「…そう、だよね……、夢だよね…」
つぶやきながらAを撫でると、ピクリと耳が動き、目が開いた。
「A、おはよう」
「にゃー…」
ぐっと伸びをしたかと思うとトテトテとどこかへ行ってしまった。
「……可愛かったなー…」
夢の中に出てきたAの姿を思い出して、思わず呟いた。
……Aが人間だったら、あんな感じなのかな…？
「…また見たいな…、今の夢」
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作者名：成海 | 作成日時：2024年2月21日 14時
